裏カード、キルギスは「本職GKがゼロ」でモンゴルに苦杯! 最後の日本戦は捨て身で挑んでくるだけに要注意

2021年06月08日 石川聡

2位の座を巡る争いもいよいよ最終局面に

2位確保のため、来週火曜日の日本戦で勝利が求められるキルギス。2019年11月の対戦では0-2で敗れている。(C)SOCCER DIGEST

 カタール・ワールドカップ・アジア2次予選のグループF、キルギス対モンゴルの一戦が、6月7日にヤンマースタジアム長居で行なわれた。

 試合は34分にFWオユンバートル・ミジドルジがヘディングで決めた1点を守り抜いたモンゴルが、1-0で逃げ切った。このグループは5月28日に日本がミャンマーに10-0と大勝し、6戦6勝で首位が確定。最終予選進出と2023年に中国で開催されるアジアカップの出場権を獲得している。

 日本での集中開催となったグループで、順位争いの興味は2位の座を巡る戦い。8つある2次予選のグループで各1位と、2位のうち成績上位の4チーム、計12チームが最終予選へ進める(本大会開催国のカタールがここに入った場合は、2位の成績上位5番目のチームも)。この2位を狙う上で、暫定2位のタジキスタン(勝点10)を追っていた同3位キルギス(同7)にとっては手痛い敗戦となった。残る試合は11日(金)のミャンマー戦と15日(火)の日本戦。一方でこの日、日本に1-4で敗れたタジキスタンは15日のミャンマー戦を残すのみだ。

 キルギスにとって残念だったのは、新型コロナウイルスの影響。3日に来日後、翌4日に選手1人に陽性反応が認められた。その後、保健所のヒアリングによってスタッフ14人、選手5人が濃厚接触者に該当と判明。この5人には連れてきた全3人のGKが含まれていた。そのため、チームは苦肉の策として22歳のDFアイザル・アクマトフをGKで起用。アジアサッカー連盟(AFC)に登録された彼の背番号5を着けて、ゴールマウスに立つ羽目になった。
 
 キルギスの国営通信社『Kabar』はキルギス・サッカー連盟の話として「(本来の)GKなしで戦わざるを得なかった。(陽性者を除く全員の検査結果が)陰性だったにもかかわらず、(彼らが出場できないことは)試合のたった2時間前に言われた」と伝えている。

 しかし、急造GKの起用が吉と出ることはなかった。唯一のゴールシーンは自陣右サイドで与えたFKをゴール前に上げられ、ミジドルジに頭で叩き込まれたもの。ピンポイントで合わせたモンゴルも見事だったが、本職ではないGKの判断も少なからず影響しただろう。モンゴルは前半アディショナルタイムにもFKをゴール前に放り込んで、今度は飛び出したアクマトフのパンチングミスを誘っている。

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