浦和の先輩たちも大絶賛! U-24代表にも飛び級招集されたGK鈴木彩艶が必然の大ブレイクを遂げるまで

2021年06月03日 佐藤亮太

「礼儀正しくて明るい性格。大人とも恥ずかしがらずに会話」「ユニホームは自分で洗濯していた」

浦和で定位置を掴んだGK鈴木彩艶。U-24日本代表でも飛び級で招集された。写真:滝川敏之

 いったいどこまで駆け上がるんだ!?

 世代交代を感じさせるレギュラー奪取。東京オリンピック開幕直前のU-24日本代表合宿で飛び級招集――。

 いま、J1浦和レッズのGK鈴木彩艶に注目が集まっている。

 今季、鈴木はルヴァンカップ5試合に先発出場。リーグ13節・ベガルタ仙台戦(5月9日)からはリーグ戦5試合連続で先発し、戦績は4勝1分。失点「2」と貢献している。

 安定したセービングとともに正確なコーチング。ロングフィード、そしてセンターサークルを超える強肩の持ち主。加えて自身が「生まれつき」と話すGKにとって不可欠な冷静さは折り紙付きだ。

 若き守護神についてDF槙野智章はシュートストップ、ポジショニングの良さ、視野の広さを挙げたうえで「18歳であの体格とあの落ち着きぶり。存在感は大きい(17節・名古屋戦)」と評価。

 またDF宇賀神友弥は「言うことがないくらい自信をもって素晴らしいプレーを見せている(ルヴァンカップGS4節・湘南戦)」と称賛するなど、すでに完成した選手といっても言い過ぎではない。

 まるですい星のごとく現われた鈴木だが、実はクラブが手塩にかけて育て上げた選手のひとりだ。

 鈴木は2013年に設立された浦和レッズジュニア(小学生年代)の一期生。

 当時、彼らのトレーニングを見ていたGK加藤順大(現マッチャモーレ京都山城・選手兼監督)は「すごい選手」と将来性を楽しそうに語ったのを思い出す。
 
 普段の姿について、当時を知るスタッフは「礼儀正しくて明るい性格。大人とも恥ずかしがらずに会話ができる利口な少年。あとは時間厳守。遅刻はなかったです。また練習着、ユニホームを自分で洗濯していると聞いた時は、ちょっと驚きました」と自立した人間像が思い浮かぶ。

 その後、鈴木はジュニアユース、ユースと昇格するとともに、各年代別代表にも選出された。そして2019年2月にクラブ史上最年少の16歳5か月でプロ契約。昨季公式戦の出場はなかったが、18試合に帯同した。

「彩艶はいつ試合に?」
 そんなサポーターの期待のなか、鈴木がリカルド・ロドリゲス監督の起用に応えられたのは浜野征哉GKコーチの存在がある。
 

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