日本代表、6月シリーズで注目したい6つのポイント。“スピード枠”でブレイクが期待されるJリーガーは?

2021年06月02日 西部謙司

鉄板コンビが抜けたCBのバックアップは?

6月シリーズで招集された注目の選手たち。写真は左上から時計回りに、谷口、長友、権田、坂元。写真:サッカーダイジェスト

1)GK
GKをビルドアップに組み込む試みは昨年の欧州遠征から取り組んでいる。押し込まれた時などに流れを変えるためには必須。現代のゲームでGKの構成力は不可欠とも言える。足下の上手さではシュミット・ダニエル(シント¬=トロイデン)が安定していた。しかし、いうまでもなくGKは足下だけで決まるものではなく総合力が問われる。ゴールキーピングに関しては川島永嗣(ストラスブール)が有力。権田修一(清水)は川島とシュミットの中間でバランスはいい。誰がファーストチョイスになるのかは注目されるが、戦術的な進化という意味では誰がファーストチョイスになってもビルドアップへの組み込みは必要である。

2)CBのバックアップ
 吉田麻也(サンプドリア)、冨安健洋(ボローニャ)が五輪代表に合流。鉄板コンビが抜けたことで、バックアップのCBが誰になるのか。植田直通(ニーム)、昌子源(G大阪)の元鹿島コンビが有力だが、ビルドアップの上手い谷口彰悟(川崎)、スピードがある中谷進之介(名古屋)にも期待したい。
 
3)SBのレギュラー争い
 右は酒井宏樹(マルセイユ)が序列の一番手だが、3月の韓国戦で素晴らしいプレーを見せた山根視来(川崎)にも可能性がある。酒井とは違うタイプとしてレギュラー争いになるかもしれない。正統派のSBとして安定感のある室屋成(ハノーファー)もいる。層の厚いポジションだが、ワールドカップで選出されるのは二番手までだろうから競争は熾烈だ。

 左は長友佑都(マルセイユ)の後継者が決まっていない。長友本人も含めて佐々木翔(広島)、小川諒也(FC東京)が争うが、五輪代表あるいは今回の両代表の招集されていない選手にも可能性があると思う。現在の代表の中で最も競争がオープンになっているポジションと言える。

4)ボランチのバックアップ
 ここも絶対的な遠藤航(シュツットガルト)が五輪代表に合流。この6月シリーズでは2つのポジションを守田英正(サンタ・クララ)、橋本拳人(ロストフ)、川辺駿(広島)の3人が競争する形になっているが、五輪代表の田中碧(川崎)も有力な候補だ。南野拓実と鎌田大地をインサイドハーフに起用する4-3-3のオプションも試していて、そのときに遠藤以外に1人でアンカーができる選手がいるかどうかも気になる。
 

次ページ3月に続き選出された坂元。ライバルは伊東よりも…

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