【五輪後の日本代表スタメン&序列予測】主軸は田中碧?“フロンターレ色”を打ち出すのもアリか

2021年05月26日 二宮寿朗

若い世代の突き上げが活性化につながる

二宮氏が予測する東京五輪後の森保ジャパン

 今年9月にはカタール・ワールドカップ・アジア最終予選が始まる。東京五輪を終えたU-24世代との本格的な融合が進むなかで、A代表に組み込むべき人材は誰か。そしてスタメンの顔ぶれ、各ポジションの序列はどのようになるか。

 五輪後の最終予選を見据え、森保ジャパンの新陣容について、スポーツライターの二宮寿朗氏に予想してもらった。

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 9月からスタートするカタール・ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選を戦うチームの序列がどうなるかという編集部からのオーダーだが、現時点において東京五輪に出場するU-24世代でレギュラーを確実にしているのは冨安健洋だけである。A代表のスタメンに食い込んでいけるかどうかは、世界を相手にする舞台でどれだけ活躍できるかにも関わってくるとは思う。

 2大会ぶりにベスト16に進出した2018年のロシアW杯ではリオ五輪世代から植田直通、遠藤航、大島僚太の3人が選出されたものの、出場機会は訪れなかった。メンバー23人登録時点での平均年齢は28・6歳。平均年齢の高さは出場32チーム中、10位以内に入っていた。
 
 バイエルン・ミュンヘンのロベルト・レバンドフスキが32歳にしてリーグ最多記録となる41ゴールを挙げたように、"トップパフォーマンス寿命"は延びているのは確かながら、若い世代の突き上げがあるからこそ活性化につながるというもの。そして若手、中堅、ベテランがうまく回ってこそ、持続可能なチームになるというもの。もちろん東京五輪が開催されればの話だが、メダルを獲得してA代表に合流してほしい。

 U-24代表の中で冨安以外に誰が最もレギュラーに近いと聞かれれば、田中碧と答えたい。先のU-24アルゼンチン代表との第2戦は出色の出来であった。パスもそうだが、バチバチの肉弾戦で引けを取らず、攻撃の芽を積む力強さを兼ね備える。

 ボランチの相方となった板倉滉とも抜群の連係を見せたように、周囲に目を配りながら最適解を選択できるインテリジェンスもある。田中がいることで、周りも輝く。そのインパクトは絶大だった。
 

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