「正直、日本が羨ましいよ」U-24韓国代表監督が選手招集を巡る“文化の違い”に嘆き節!「勝利すべき国でしかなかったが…」

2021年05月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「五輪の意味や選手にどのような恩恵があるのかも知っている。だが…」

U-24韓国代表のエースであるイ・ドンギョン(10番)もA代表に招集。ベスト布陣での強化は叶わなかった。(C)Getty Images

 韓国サッカー界で、小さくない意識のズレが表面化した。

 日本と同様、韓国も6月に重要な連戦を控えている。A代表はワールドカップ・アジア2次予選の集中開催に臨み、東京五輪での飛躍を期すU-24代表も待ちに待った7か月ぶりの活動再開で、一気のラストスパートを図る。だが、その選手招集を巡る綱引きにおいて、両指揮官の価値観が上手くかみ合わなかったようだ。
【PHOTOギャラリー】韓国女子代表が誇るビーナス、イ・ミナの可憐な厳選フォトをチェック!

 5月24日、A代表を率いるパウロ・ベント監督は28名のメンバー発表会見に臨んだ。U-24代表チームにどれだけの譲歩をできるかに注目が集まったが、導き出された結論は「A代表最優先」。イ・ガンイン(バレンシア)こそ招集しなかったが、五輪世代の主軸であるウォン・ドゥジェ、イ・ドンギョン(ともに蔚山現代)、ソン・ミンギュ(浦項スティーラーズ)らを迷わず選んだのだ。

 U-24代表監督であるキム・ハクボム監督と協議した上で決定したと明かしつつ、ポルトガル人指揮官は「今回の選考はきわめて正常な過程を経た。いまは韓国協会にとっても非常に重要な時期だ。A代表のワールドカップ予選突破という結果が最重要だ」と断言。さらに、「オリンピックの意味や選手にどのような恩恵(メダル獲得で兵役免除)があるのかも知っているが、今回は我々が重要だと思った選手を含めた」と理解を求めた。
 
 これに続いて発表されたのがU-24代表の招集メンバーだ。東京五輪前では最後となる集中キャンプの機会であり、貴重なテストマッチ(ガーナU-24代表との2連戦)も用意された。メダル奪取に向けて重要な強化機会にあって、ベストメンバーを組めなかった実状に、キム・ハクボム監督は苦虫を噛むばかりだ。

「今回はA代表の決定をすべて受け入れた。我々の選手を信じるしかないだろう。正直に話すが、(A代表との)仲裁にはすべての人間がかかわった。それでも、"A代表優先"という原則が変わらなかったということだ」

次ページ「日本は今回、“完全体”でトレーニングし、試合も行なうというのだからね」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事