「見返りを求めない純粋な善意だ」リベリの心温まる振る舞いに、父が病気の同僚DFが感極まる!

2021年05月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「世界が崩れ落ちた」というヴェヌーティに…

リベリの心遣いをチームメイトが称賛した。(C)Getty Images

 強烈なエゴの持ち主たちの集団、それがトップリーグのチームだ。だが、彼らもひとりの人間であることは変わらない。だからこそ、グループをけん引する真のリーダーは、その人間性も確かだ。

 フィオレンティーナのロレンツォ・ヴェヌーティが、フランク・リベリとのあるエピソードを披露した。『Cronache di spogliatoio』で、つらい時期に38歳の大ベテランが寄り添ってくれたと明かしている。『Gazzetta dello Sport』紙が伝えた。

 これによると、26歳のイタリア人DFは、は最近、父親が病気と判明。腫瘍と知らされ、「ひどい時期」を過ごしたという。知らせを受けて「世界が崩れ落ちた」というヴェヌーティは、クラブドクターにも相談した。

「笑顔を見せるのは簡単じゃなかった。心の中で笑うのはなおさらだ。怖かった。混乱して、フィオレンティーナのドクターにも説明を求めてしまった。答えを求めて、離れたところで彼らに状況を説明したんだ」

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 その様子が、リベリの耳に届いた。ヴェヌーティは「フランクは隣の部屋にいて、すべてを聞いたんだ。僕は知らなかったんだけどね」と続けている。

「そして彼はロッカールームで僕に悲しそうな目を向け、隣に座って言ったんだ。『ロレンツォ、明日の午後、オレたちは練習がない。監督が休みにしてくれる。お前のお父さんのところに連れていってくれないか。お父さんと会いたいんだ』と」

 翌日、車でリベリを迎えに行き、実家のある人口6000人のインチーザ・ヴァルダルノに向かったという。世界的スターである仲間からの突然の見舞いの申し出に感極まったというヴェヌーティは「当たり前のこと、求められてのことじゃない。誠心誠意の行動だった」と振り返った。

「僕は、これこそ人だと思う。リベリという名前だからじゃない。見返りを一切求めない、純粋な善意からの行動だ」

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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