パリSGの4連覇にまさかの黄信号、リールが10年ぶりに王座奪還か? リーグ・アンの優勝争いは歴史的デッドヒートに!【現地発】

2021年05月16日 結城麻里

残り2試合で上位2チームの差は3ポイント

ネイマール(左)とエムバペ(右)を擁しながら、パリSGは4連覇に黄信号が灯っている。 (C)Getty Images

 あと2節を残すのみのリーグ・アンが歴史的デッドヒートとなり、パリ・サンジェルマンが最後の逆転劇で王座を守るか、それとも王座から転げ落ちるか、に大きな注目が集まっている。

 リーグ・アンは現在(現地13日時点)、リールが勝点79で首位を走る。7日には北部ダービーと呼ばれるRCランス戦を敵地で戦ったが、気の緩みも重圧も感じさせず、3-0で隣の敵を撃破した。

 これに対し、まさかの2位に甘んじているパリSGは9日、敵地レンヌで不甲斐ない試合を展開、1―1のドローに終わった。勝っていれば1点差でリールを追い続けるはずだったが、この不覚で勝点76となり、3ポイント差と水を開けられてしまった。

 この日はキリアン・エムバペを怪我で欠いたとはいえ、ネイマールは先発で出場。ところがそのネイマールがいつもの苛立ちをチームに拡散、PKを決めた以外は何も創り出せず、「自分でやろうとしすぎてうまくいかず、結局イライラするソリスト」「救世主症候群」「お子ちゃま王」などの辛辣な批判が噴出した。
 
 またパリSGのすぐ背後では、今シーズンのサプライズとなっているモナコ(勝点74で3位)、踏ん張るリヨン(勝点73点で4位)の両者がしっかり追走中。パリとモナコの差はたった2ポイント差、パリとリヨンの差も3点差となっている。

 しかも、このレンヌ戦でプレスネル・キンペンベ(レッド退場)とレーバン・クルザワ(負傷)を失い、マルコ・ヴェッラッティも再び怪我をして、3人のシーズンは「ほぼ終了」に。このためフランスでは「この週で勝負は決した」との見方が広がり、多くの人々がパリの頭から王冠が転がり落ちる姿を想像した。

 ところがパリはまだ終わっていなかった。12日夜におこなわれたクップ・ド・フランス(フランス・カップ)準決勝で、パリSGがPK戦の末にモンペリエを敵地で撃退(2-2、PK5-6)し、伝統あるこの大会のファイナル進出を決めたからだ。リーグ・アンとは別の舞台だが、土壇場でダイナミズムが生まれた可能性も否定はできない。
 

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