堂安&奥川、大迫は1部に残留できるか? ブンデス下位の最終結果を大胆予想【現地発】

2021年05月02日 中野吉之伴

各チームで残留のカギを握るのは?

いずれもチームが残留争いに身を投じている、(左から)ビーレフェルトの奥川、堂安、ブレーメンの大迫。 (C)Getty Iamges

 2020-21シーズンのブンデスリーガも、残すところあと3試合となった。

 シャルケの31年ぶりとなる2部降格が確定したが、残留争いは最後までし烈な戦いとなりそうだ。現時点で降格の可能性を残す6チームの現状を比較した。

【12位マインツ 勝点34】
 シーズン前半戦終了時はシャルケと同じ勝点7で降格間違いなしとみられていたが、ボー・スベンソン新監督がマインツらしいサッカーを明確に選手に求めた結果、本来の強みを取り戻した。

 シーズン後半戦だけの戦績をみれば、バイエルン、ライプツィヒ、フランクフルト、ヴォルフスブルクに次ぐ5位。しかもヘルタ・ベルリンが新型コロナウイルスの感染者を出した影響で1試合が延期され、この試合に勝利すれば2位までアップする。前節は絶対王者バイエルンを追い込み、前半で5-0になってもおかしくないほど素晴らしいサッカーを披露して2-1で勝利。経験豊富なCBで、クラブを象徴する選手でもあるシュテファン・ベルのリベロ起用がハマっている点が大きく、チームとしてのまとまりはリーグでも髄一だ。

 唯一の不安要素は、残りの対戦相手がフランクフルト、ドルトムント、ヴォルフスブルクと来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権を争うクラブばかりという点だ。そのため、5月3日に延期されたヘルタとの1戦を勝ち切り、残留を確定させたい。
 
【13位アウクスブルク 勝点33】
 勝ったり負けたりしながら、残留圏をキープしていたが、第28節でシャルケに敗れたのが痛恨だった。以後は4試合で1分3敗で、安心できなくなってきた。

 特に前節のケルン戦では、前半に3失点を喫し、大事な時期に許されない試合運びで成すすべなく敗れた。結果、ハイコ・ヘアリッヒ監督は更迭され、かつてクラブをヨーロッパリーグに導いたマルクス・バインツィールが再就任。アウクスブルクでは今でも名声を誇る人物だが、シャルケ、シュツットガルトでは手腕を発揮できないまま解任されているのが気がかりな点だ。

 縦に鋭い攻撃スタイルを取り戻すことができるかが、残留に繋がるカギとなるだろう。残りの対戦相手はシュツットガルト、ブレーメン、そして最後にバイエルン。特にブレーメン戦では何より負けないことが大事になる。

【14位ブレーメン 勝点30】
 2年連続で「こんなはずではなかった」状態が続いてしまった。魅力的なオフェンシブサッカーを封印し、手堅い戦いで粘り強く勝点を積み重ねようとしていた今シーズンだったが、ここ7試合連続で未勝利と、完全に調子を崩している。

 得点をイメージできる攻撃の展開があまりに少ないというのが大きな問題だ。FWは21歳のジョシュ・サージェントが柱となっているが、ここまで5得点。ダビド・ゼルケやニクラス・フュルクルクもケガの影響で苦しんでいる。

 大迫勇也はフロリアン・コーフェルト監督の起用法に振り回されて、らしいプレーを発揮できないままだ。昨シーズンはラストスパートで大迫もチームも調子を上げ、最終節で入れ替え戦出場を果たし、何とか1部残留をつかみ取った。残りの対戦相手はヨーロッパリーグ出場権を争うレバークーゼン、ボルシアMG、そして監督交代効果が怖いアウクスブルクと難敵が続く。正念場だ。
 

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