【J1展望】名古屋×川崎|異例の頂上決戦“第1ラウンド”。プライドを懸けた熱戦へ

2021年04月28日 サッカーダイジェスト編集部

名古屋――川崎に対し狙いは明確だ

出場停止/名古屋=なし 川崎=なし

J1リーグ22節
名古屋グランパス―川崎フロンターレ

4月29日(木)/15:00/豊田スタジアム
 
名古屋グランパス
今季成績(12試合終了時):2位 勝点29 9勝2分1敗 16得点・3失点
 今季、いやJリーグ史上においても最高クラスの"矛・盾"対決になるのは間違いない。それだけに、2位の名古屋と首位の川崎の戦いはハイペース、そしてトランジションが速い試合になることが予想される(ACLの日程の都合上、22節として先立って開催され、5月4日には等々力での"第2戦"となる12節が開催される異例のスケジュール)。

 まさに即時奪回を地でいく川崎に対し、名古屋はどっしりとした守備からの速攻を得意としており「どうやって奪われないかではなく、すり抜けて何をするのかまでやりきる」(フィッカデンティ監督)とチームの狙いも明確だ。

 押し込まれる展開が予想されるも、9試合連続無失点を達成するなど(記録は18日の鳥栖戦で惜しくも途切れた)盤石の守備陣にとっては慣れたもので、冷静さを失わずに敵陣を目指す作業にはむしろ強みがある。

 とはいえ運動量的にも距離的にも相手ゴール前が遠い時間帯も増えることは予想され、それだけにカギを握るのがマテウス、相馬勇紀ら単独突破に優れるスピードスターたち。川崎の多重攻撃を跳ね返し、空いた敵陣を一気に攻め立てる速さと強さを彼らがどれだけ発揮できるか否かで、試合展開や力関係は大きく変わる。

 注意したいのはセットプレーを含めたダイレクトプレーで、こればかりはどれだけ名古屋が守備を精度高くまとめたとしても、隙を作られてしまう部分となり得る。その点では二つのダイレクトにやられた鳥栖戦の経験が良い薬となり、ランゲラックや丸山祐市ら守備の要の集中力増につながれば鬼に金棒だが、果たして。

 いずれにせよ先制点がいつ決まるか、どちらに決まるかで大きく傾きが変わる試合であり、名古屋は堅守ベースの安定した戦いから、"決勝点"をつけ狙う試合にしていきたいところだ。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)

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