【京都】「最初はどこかお客さんというか…」アンカーで躍動する19歳川﨑颯太。曺監督の評価は?

2021年04月22日 古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

「表情や顔つきも最近は変わってきました」(曺監督)

川﨑はアンカーとして攻撃的なチームのバランスを取り続けている。写真:田中研治

 4月21日、東京ヴェルディとアウェーで対戦した京都サンガF.C.は、ピーター・ウタカと宮吉拓実の得点で2-0の勝利。これで2位のFC琉球とは勝点3差、首位のアルビレックス新潟とは同4差で3位(勝点19)に位置している。

 好調の要因は様々あるだろう。昨季のJ2得点王のP・ウタカが今季も9戦8発と得点を量産すれば、ディフェンスリーダーのヨルディ・バイスは、流れの中でも攻撃参加し、3ゴール(うち2点がセットプレーから)と攻守で躍動。スピードがある攻撃的な両SBの飯田貴敬、荻原拓也も持ち味を存分に発揮している。

 そんな個性溢れる選手たちが活躍しているなかで注目したいのが、4-3-3のアンカーでプレーする川﨑颯太だ。

 現在19歳の川﨑は山梨県甲府市出身で高校進学時に京都のアカデミーに加入し、京都U-18ではキャプテンとしてチームを牽引。トップ昇格を果たした昨季はプロ1年目ながらリーグ16試合に出場した。プロ2年目の今季は開幕からの全9試合に出場(うち8試合がスタメン)している。
 
 川﨑の役割を簡単に説明すると中盤のフィルター役だ。先述したとおりチームには攻撃を好むJ・バイスや両SBがいるだけに前がかりになりやすい。その分、豊富な運動量で空いたスペースを埋め、球際の強さを生かして相手のカウンターを防ぐプレーが求められている。

 そんな川﨑のことを曺貴裁監督はこう評価する。

「最初はどこかお客さんというかミスをしないように、というプレーが多くて『それじゃダメだ』とずっと言い続けていました。ですが、勝負の責任を負うなかで、表情や顔つきも最近は変わってきました」

 それでも指揮官に言わせれば「プレーのクオリティはまだまだ」だという。「点を取れるような選手になり、最後まで足を止めないでゴール前のボールをかき出すような責任感を持ってほしい。サンガアカデミーの選手から目標とされるようになってほしい」と期待を口にした。

 京都が好調を維持し、悲願のJ1昇格を成し遂げるために――。サンガアカデミーの選手たちに希望を与えるために――。今後も川﨑のパフォーマンスに注目したい。

取材・文●古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)
 
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