「タケは全ての資質を備えていた。ただ…」久保建英が“苦悩した”ビジャレアル時代を元同僚ペドラサが語る【独占インタビュー/前編】

2021年04月20日 下村正幸

「物静かだけど、冗談好きな一面もある」

元チームメイトの久保について、ペドラサ(左)が語ってくれた。(C)Getty Images

 ラ・リーガで5位、ヨーロッパリーグでベスト4進出と充実のシーズンを送っているのがビジャレアルだ。サッカーダイジェストWebは、躍進を支えている攻撃的左SBのアルフォンソ・ペドラサに独占インタビューを実施。その前編では、今シーズンの前半戦に半年間だけチームメイトだった久保建英(現ヘタフェ)や、その他の日本人選手についての話を紹介する。

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――タケ(久保建英)の能力をどう評価している?

「まだまだ若くて、その分、伸びしろが大きい。学ぶべきこともたくさんある。クオリティは間違いなくある。これはサッカー選手にとって最も重要なことだ」

――タケの選手としての長所と短所は?

「ゴール前で違いを作り出すために必要な資質を全て兼ね備えている。ただ、まだ19歳だ。タケもその年齢の選手特有の克服すべき課題を抱えている」

【動画】久保建英のビジャレアルでのベストマッチ! ELでマークした圧巻1ゴール・2アシストはこちら
――ピッチ外ではどんな人柄だった?

「ナイスガイだよ。物静かだけど、冗談好きな一面もある」

――左サイドでコンビを形成した試合もありましたが、一緒にプレーしてどんな印象だった?

「良かったよ。優秀な選手とはコミュニケーションを図りやすいけど、タケもそうだった。彼は中央に切れ込むことが多いので、そこで生まれたスペースに走り込みゴールライ際まで駆け上がることを心がけていた」

――ビジャレアルでタケは思うように出場時間が与えられませんでしたが、どんな様子だった?

「試合に出られないというのは選手にとって簡単なことではない。でも、タケはプロ意識がとても高い。腐らずに全力で練習に取り組み続けていたよ」

――ビジャレアルで試合に出るには、何が足りかった?

「ビジャレアルはポジション争いが熾烈だからね。2、3人の選手と競い合わなければならない。出場機会を得るのは簡単なことではないし、スタメンに入るのはなおさらだ」

――ヘタフェへ移籍した決断をどう思う?

「タケが決断したことだ。個人的な理由になってしまう。一つ言えるのは、ビジャレアルはサッカーをするうえで素晴らしいクラブであるということだ」

――ヘタフェでもベンチスタートが続いているタケにアドバイスは?

「忍耐力と平常心を保ち、最高の準備をすること。そうすればチャンスを活かす可能性も高まってくる。わずかな出場機会であっても、1分1分を大切にプレーすることが重要だ」

――ウナイ・エメリはどんな監督ですか? タケを起用しない采配に対してマドリードのメディアを中心に批判もありました。

「素晴らしい監督だよ。それはこれまでの彼のキャリアや実績を見れば、明らかだ。ビジャレアルでも素晴らしい仕事をしている。彼の信頼をもとに、多くのチームメイトがパフォーマンスを高めている。サッカー観もビジャレアルのフィロソフィーにマッチしている。若手の可能性や選手の才能を信じて起用する。でも同時に要求レベルも高い」
 

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