【千葉】“仕事人”と“芸術家”、両SBの活躍で横浜FCに快勝

2015年05月04日 本田健介(サッカーダイジェスト)

金井がCKから先制点を奪い、中村がFKで追加点。

芸術的なFKで追加点を挙げた中村(17)。金井のゴールもアシストした。(C) Getty Images

 5月3日に行なわれたJ2・11節で、横浜FCをホームに迎えた千葉は、両SBの活躍により3-0と快勝を収めた。
 
 まず、観衆を魅了したのが右SBの金井だった。17分、「最初はニアにいて、あそこ(ファー)に入って行けば空くと、スカウティングで分かっていた」と、中村のCKをファーサイドで待ち受け、ダイビングヘッドで先制点を奪った。
 
 守備のマルチロールというイメージがあるが、今季はこれで3ゴール目。しかもこれまでの2点は1-0で勝利した長崎戦、岡山戦での決勝弾と、チームを勝利に導いたものだった。
 
 左SBの中村、2列目の谷澤とテクニシャンが揃い攻撃の中心となる左サイドに対し、逆サイドで主に守備的な働きをする姿は、一見地味に映る。しかし、少ないチャンスを決め切る"仕事人"ぶりはこの日も健在だった。
 
 一方、「我々の攻撃のストロングな部分」(関塚監督)と指揮官も認める左SBの中村は、正確無比な左足を駆使し、この試合でも光り輝いた。前述の先制点のシーンでは「(中村)太亮のボールが良かったので当てるだけだった」(金井)との言葉どおり、高精度なキックでゴールを導き出している。
 
「カーブには自信があるので外から巻いてやろうと。(金井)貢史の動きはよく見るようにしていて、ニアに最初立っていたけど、絶対にファーに行くなと思ったので、そこに合わせれば決めてくれると思った」(中村)と、狙いどおりのボールだったと本人も振り返える。
 
 さらに芸術的なキックを見せたのが、53分のシーンだ。ゴール正面からやや左の位置でFKを得ると、「左上に巻いて速いボールを蹴ればいけると思った」と迷いなく振り抜き、綺麗な放物線を描いたボールがネットに吸い込まれた。横浜FCのGK南がただ見送るしかない、完璧な一撃だった。
 
 その後、アディショナルタイムには田中のゴールも生まれ、3-0で快勝。8、9節と連敗した千葉だったが、前節の熊本戦に続いて勝点3を獲得し、再び2位に浮上した。「まだそんなに試合はしていないが、この時期でも上位にいるというのは重要なこと。離されずにトップを追い越せるようにしていきたい」(中村)と、自動昇格に向けて良い流れを持続できていると言えるだろう。
 
 中2日で続く東京V戦(5月6日)、讃岐戦(5月9日)はともにアウェーと苦しい戦いが予想されるが、両SBが生み出したこの勢いを維持し、勝点を積み重ねたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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