南葛SC、関東2部を舞台とする2021年の方向性とは? 新キャプテンが推進する「ポジティブ」と「進化」

2021年04月11日 伊藤 亮

新キャプテンはチーム在籍4年目の守護神

2021年シーズンのキャプテンを務めるGK大河原。在籍4年目の守護神だ。写真:滝川敏之

 関東サッカーリーグ2部に舞台を上げ、南葛SCの2021年シーズンが始まった。

 新キャプテンになった大河原弘樹は、2018年から南葛SCでプレーを続け、GKのポジションからチームを見続けてきた。

 これまでのシーズンで得てきた経験をどう活かし、今シーズンを戦うつもりなのか。インタビュー企画第1回では、新キャプテンに個人としての抱負から、チームの現状と今シーズンの方向性までを語ってもらう。その内容は、東京都1部リーグに所属した3シーズンの総括にもなった。

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 2021年2月22日。南葛SC公式サイトで新シーズンのキャプテンが発表された。新キャプテンは大河原弘樹。2018年よりチームに加入し4シーズン目を迎える守護神だ。年齢も在籍年数もチームでは上から2番目。さらに長く南葛SCのゴールマウスに立ち続けてきた実績もある。まさにうってつけの人選のように傍目には見えるが、本人はまったく予想していなかったという。

「土曜日の練習前だったか、監督に呼ばれまして。何を言われるかと思ったらキャプテンの打診でした。最初は悩みました。先を見据えた時、これから3年でも5年でも主力で居続けられる可能性のある、少し年下の選手がやった方がいいんじゃないかと思っていて、僕はそのサポートをするつもりだったんです。でも、これまでずっとチームに関わってきて、僕自身地元は隣の足立区ですし、南葛SCへの思い入れも強い。だんだんチームの歴史に関わっていくことに対する気持ちが強くなり引き受けました」

 これまでのサッカー人生でキャプテンの経験は、社会人になってから1回あるかという程度。それでも人間性を評価されたことが素直に嬉しかった。

「驚きましたけど嬉しかったですね。これまでやってきたことが評価されて」

 過去3シーズン、多くの試合で南葛SCのゴールを守り続けてきた。試合中は野武士のような張り詰めた緊張感で立ちはだかり、最後方からチームを鼓舞する。しかし、グラウンドを離れて対面してみれば印象はガラリと変わる。目つきは柔らかくなり、ちょっとシャイな一面をのぞかせる。「しゃべるのが苦手なんです」といいながら、懸命に思いを伝えようとしてくれる姿勢を見るだけで、実直な人柄が窺える。
 

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