【プレミアリーグEAST展望】高校年代最高峰リーグが2年ぶりに開催!優勝争いは柏、青森山田を軸に展開か?

2021年04月02日 松尾祐希

エースが怪我から復帰見込みの柏U-18が本命

柏の大型センターバック田中隼(左)と、青森山田のストライカー那須川真光(右)。写真:松尾祐希

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグが幕を開ける。昨季は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、二度の開幕延期を経て大会が中止になった。そのため、参加予定だったチームは各地域のプリンスリーグなどに参戦し、例年よりも短い1回総当たりのリーグで公式戦を行なった。EASTで戦うはずだった青森山田はスーパープリンスリーグ東北、清水エスパルスユースはスーパープリンスリーグ東海に出場。関東勢の8チームは1年限定のプレミアリーグ関東で鎬を削った。

 様々な関係者の尽力で代替大会を戦えたとはいえ、1年を通じて全国リーグを経験できなかった点は、選手の成長を考えるとポジティブには捉え難い。青森山田はスーパープリンスリーグ東北を無敗で制したものの、昨年度の高校サッカー選手権の決勝で山梨学院に敗戦。PK負けは記録の上で引き分け扱いになるため、公式戦無敗で1年を終える結果になった一方で、ビハインドを負う展開はこの山梨学院戦がシーズンを通じて初めてだった。

「去年は1回も負けずに選手権へいってしまった。最後の決勝でその不安が出て、ガチンコ勝負でビハインドを追いかけるような経験をあまりできなかった。本当に悔しがる経験も必要だったし、去年はずっとその不安を抱えていた」とは青森山田の黒田剛監督の言葉。1点を争うようなシビアな戦いを経験してこそ、選手たちのさらなる成長が促される。それだけにプレミアリーグがシーズンを通じて行なえるメリットは計り知れない。

 異例のシーズンを経て迎える今季の戦い。実力が拮抗したリーグで選手たちがどのような成長を遂げていくのか。今季は来季からプレミアリーグの参加数が4チーム増えるため、降格枠が1つとなった。上位争いに加え、残留争いも例年以上に激戦になることは必至だ。

 その中で優勝候補に挙げられるのが、柏レイソルU-18だ。今季は大宮アルディージャのトップチームのコーチに就任した山中真前監督が退任したが、クラブOBである酒井直樹新監督の下で新たなチャレンジをスタートさせた。前任者がベースにしてきた技術や球際の攻防を大切にしながら、攻撃ではより人数を掛けるスタイルに着手。ゴール前で迫力を持って仕掛けるべく、4バックに加えて3バックにもトライしながら得点力の向上を目指している。

 U-18日本代表の大型CB田中隼人(3年)、ボランチの田制裕作(3年)らを軸とするビルドアップも安定感があり、フィニッシュの精度が高まれば攻撃の破壊力は昨年以上。怪我で長期離脱中の真家英嵩(3年)も序盤戦で復帰できる見込みで、1年次から注目を集めてきたエースの活躍次第では優勝の二文字も現実味を帯びてくる。

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