【セルジオ越後】14点取って喜んでる場合じゃない!こんな試合をしていたらアジアは世界に追いつけないよ

2021年03月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

日本にとってもモンゴルにとっても不幸なミスマッチ

14対0の大差がついたモンゴル対日本のゲーム。モンゴルの選手たちは最後までよく食らいついたが…。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 ワールドカップ・アジア2次予選のモンゴル戦は、14-0というスコアで日本が勝ったね。これで日本は2次予選5連勝で、最終予選進出に王手をかけることになった。

 正直、どう評していいのか分からない試合だよ。東京都リーグでも優勝できるか分からないようなレベルの相手に対して、最後まで真面目にやった日本がゴールショーを見せてくれた。それが「アジアの現実」なんだ。

 もちろん、これは予選だからこなさなくてはいけない試合だ。でも、こういう試合をやっているうちはアジアのレベルは上がらないし、世界との差も縮まらないよ。日本の選手たちは勝つために、ゴールを奪うために一生懸命やったし、モンゴルの選手たちもイエローカード1枚ももらわずに最後までフェアプレーを貫いて戦ってくれた。

 ピッチで戦っている選手たちは何も悪くないよ。じゃあ、なぜこういうミスマッチが起きるのか。ハッキリ言って、予選のシステムに問題があるとしか思えない。日本がこういう試合を戦わなければいけない意味が分からないし、モンゴルにとってもこれでは強化にはならない。どちらにも不幸なマッチメイクだ。

 AFC(アジアサッカー連盟)は近年、2次予選を拡大してランキング下位の国にも門戸を広げてきたけど、そういう拡大路線がレベルの低下を招いているのは否めないよ。そして、そうした動きの背景には、やっぱり選挙の票に絡んだ思惑が透けて見える。

 とはいえ、これはアジアだけでなく世界的にも同じで、FIFA(国際サッカー連盟)もワールドカップの出場国を48にして、大会の拡大化を図っている。出場枠を餌にして人気取りをする一方で、大会自体はレベルの格差を生んで魅力を失わせてしまうかもしれない。本大会でも14-0なんてスコアが普通に起こり得るようになるんじゃないかな。

 失礼だけど、今回の試合は無観客でよかったと思うよ。モンゴルの人も日本代表の試合が見たかったはずだと、キャプテンは言っていたそうだけど、自国の代表チームが14点も取られる姿を国民は見たいと思うかな。僕だったら耐えられないけどね。

【PHOTO】モンゴル0-14日本|前後半で14ゴールとモンゴルを圧倒!24年ぶりとなる2桁勝利に!

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