【強豪校レポート】米子北|『堅守速攻』を掲げて、目指すは日本一

2015年04月30日 石倉利英

城市監督「日々のすべてを、大事な試合と同じように実践できるか」

米子北は1958年創立の私立校。65年に創部したサッカー部は、今年50年目を迎える。2009年には、昌子源(鹿島)らを擁し、インターハイで準優勝している。写真:石倉利英

 これまで1勝止まりだった選手権で初の2勝を挙げ、優勝校の星稜にも好勝負を演じてみせた。今冬の悔しさを糧に、新たな挑戦のシーズンが幕を開ける。チームが掲げる『堅守速攻』を磨き上げ、目指すは"打倒・星稜"、そして"日本一"。高い目標に挑む米子北の現状と注目のポイントを、指揮官へのショートインタビューと今季のキーマンから紐解く。
 
――◆――◆――
 
■城市徳之監督 ショートインタビュー
 
――正月の高校選手権では、初めて1大会で2勝を挙げました。星稜との3回戦は1-2の惜敗でしたが、接戦に持ち込んでいます。
 
 後半に1-1に追い付いた後、流れは完全にウチに傾いていましたけど、カウンターでやられました。選手たちに次の試合をやらせてあげられなかったのは反省材料です。星稜と前橋育英の決勝は現地で見たのですが、最後にあれだけ素晴らしい試合ができるのを見ると、力の差があると痛感しました。ただ、簡単なことではないですけど、全国の強化しているチームには、どこにでもチャンスがあるとも感じましたね。
 
――米子北が目指すスタイルとして「堅守速攻」を掲げていますね。
 
 全員攻撃・全員守備による堅守速攻です。普段の練習でも守備のコーチングは多いですね。私が現役時代にFWだったので、カウンターでの動き出しなども強調していますが、ボールを奪うまでは全員守備。FWも守備をしなければ、という意識は強いです。また、授業をきちんと受けるなどのオフザピッチも重要で、「心技体和(しん・ぎ・たい・わ)」を部訓としています。
 
――正月の高校選手権のメンバーには1、2年生も多く入っていました。
 
 新チームは、守備陣は前チームからのメンバーがほとんど残っていますが、攻撃陣は総入れ替えです。現状は、前チームからのメンバーにダメ出しばかりしています。いかに先輩に依存していたのかが分かりますね。技術レベルが高い選手もいますが、ウチのサッカーをやる上では判断や切り替えが遅いのが、はっきりプレーに影響しています。
 
――新年度の目標は?
 
 選手たちが「打倒・星稜」を掲げていて、それもいいだろうと思います。でも、「そんなに頑張っていないのに、日本一になるなんて言うな」とも言っていますよ。目先の練習も、紅白戦も、日々のすべてを、大事な試合と同じように実践できるか。それを実行する難しさも分かる、と選手には言っていますけど、それができなければ無理でしょう。しっかり鍛えていきたいと思っています。

次ページ選手権優勝校へのリベンジを期す米子北のキーマン。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事