「韓国の弱みは分かっていた!」元Jクラブ分析官が見た森保ジャパン。日韓戦のキーマンは大迫勇也か伊東純也

2021年03月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

Jリーグ優勝クラブで活動していたアナリストの第一人者の分析は…

杉崎健氏が挙げた日韓戦のキーマン。右サイドを制圧した伊東(左)か、守備のスイッチにもなった大迫(右)。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 3月25日に行なわれた日韓戦。日本代表の完勝に終わった今回のライバル対決だが、この試合をプロの目利きはどう分析するのだろうか。

『サッカーダイジェストWeb』では、Jリーグの各クラブでスカウティング担当を歴任し、現在もプロのサッカーアナリストとして活躍する杉崎健氏に、今回の日韓戦を分析していただいた。同氏は、チームや対戦相手を分析するアナリストを務めていた横浜F・マリノスでは、2019年にクラブ15年ぶりのリーグ優勝にも貢献したアナリストの第一人者だ。

 果たして、3-0で勝利を収めた"日韓戦"をプロの目線から紐解いていくと、森保ジャパンのどんな姿が浮かび上がってくるのだろうか?

――◆――◆――

 結果的に3-0、スコアに関しては完勝と言って良いでしょう。内容も、攻撃においても守備においても自分たちのやりたいことが体現できた試合だったと思います。

 韓国代表は、ソン・フンミンやファン・ウィジョ、ファン・ヒチャンらいわゆる主力がいない状況で、メンバーやシステムが予想しづらく、準備が難しかったと思います。正直ゼロトップでくるというのは、スタメンが発表されてからでないと予想できなかった部分でしょう。

CBタイプの選手が3人入り、5バックの可能性も考えられた。直近のカタール戦でやっていた4-1-4-1の形もあり得るし、4-2-3-1もあり得る。CFタイプが一人もいないということもあって、恐らくスタメンが発表された直後からロッカールームでいろんな想定をしていたと思います。

 そんななかで、日本の前半の立ち振る舞いというのが一つ分析の面白いところかなと思います。
 
 相手がどういった形で来るか読めなかったなかで、日本が守備をする時に様子を見てしまうのか、相手の自由を奪うためにどんどんプレッシャーをかけに行くのか。日韓戦では後者で、まさに引かないでプレッシャーをかけに行っていました。

 実際にピッチに立つ選手たちがプレッシャーをかけに行くには、頭で整理できていないと、相手をフリーにしてしまい、せっかくプレスをかけても剥がされてしまうという状況があり得ます。

 ただ、日韓戦の前半はそういったシーンがほぼ無かった。キックオフした瞬間にどういうシステムになっていて、自分が誰をマークするべきかということを、日本の選手たちが即座に判断出来て、韓国にボールを握らせないということが積極的に出来た試合でした。
 

次ページ3得点は偶然ではなく、明らかに狙いがあったなかで取れたもの

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