「空回りしないように」相模原の守護神・三浦基瑛は金沢との“凱旋試合”でも好守を見せるか

2021年03月27日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

実戦を重ねながら「ちょっと余裕が生まれてきた」

2節・群馬戦から相模原のゴールマウスを守る三浦。次節の金沢戦でもチームに勝点をもたらすプレーを見せたい。写真:徳原隆元

 プロ3年目、24歳の守護神が充実の日々を送っている。

 2019年、拓殖大を卒業後、SC相模原に加入。以後2シーズン、三浦基瑛は公式戦のピッチに立てずにいた。チームのJ2初参戦の今季、0-2で敗れた京都サンガF.C.との開幕戦はベンチ入り。そして2節・ザスパクサツ群馬戦でチャンスが巡ってくる。

 スタメンで待望のJデビューを飾ると、いくつかの好守を見せ、ひとつのゴールも許さなかった。試合は0-0のスコアレスドロー。貴重な勝点1獲得に貢献した。

 その後はレギュラーに定着。3節・ファジアーノ岡山戦も無失点(0-0)、4節・大宮アルディージャ戦で1失点を喫したが、平松宗、藤本淳吾のゴールで2-1の逆転勝ち。クラブの"J2初勝利"という歴史的な一戦でもゴールマウスを守った。

 昇格組の相模原は、ここまで4試合を戦い、1勝2分1敗の勝点5で14位。昇格組としては悪くない成績だ。それは、三浦の奮闘を抜きには語れないものでもある。

 たとえば、大宮戦では50分にエリア内から強烈なシュートを見舞われるが、素早い反応でストップ。岡山戦では63分に至近距離のヘディングシュートを食らったが、これもしっかりとセーブした。群馬戦の前半終了間際にも目の前でヘディングシュートを打たれたが、抜群の反射神経で弾き出した。

 これらのファインセーブがなければ、相模原は今の順位にいなかったかもしれない。勝点をもたらす活躍ぶりといってもいいはずだ。

 まだ少なからず緊張はあるようだが、実戦を重ねながら「ちょっと余裕が生まれてきた」という。「最初はシンプルにやろうと思っていて、2試合目、3試合目では、1試合目でできなかったことをやってみよう、次はこれをやってみよう、とか」。

 自身のパフォーマンスを振り返れば、確かな手応えがある。

「シュートを防いだ時、相手が悔しがっているのを見ると、今のは大きかったんだなって実感できている。この調子を続けたい」

 3月28日の次節はアウェーでのツエーゲン金沢戦。石川県出身の三浦にとっては"凱旋試合"となる。もちろん、ピッチに立てる保証はないが「思い切り楽しみたい」と心待ちにしている。

 会場となる石川県西部緑地公園陸上競技場で、子どもの頃にツエーゲン金沢の試合を観たこともある。「そこで地元のクラブとできるのは、貴重な体験だと思う」。
 
 相手には同じ石川県出身の大谷駿斗がいる。小学校から選抜で一緒、高校時代は対戦相手として「ずっと知っている」間柄だ。

 大谷は今季、カターレ富山から金沢に移籍。新天地では開幕からレギュラーを張り、4-2で勝利した前節の東京V戦では移籍後初ゴールを決めている。

「お互い試合に出ている状況で、『ピッチでいつかやろう』と言っていた。その可能性はあるので、試合に出られるように頑張ります」

 試合には家族も見に来てくれる予定だという。「気合いが入りすぎて空回りしないように(笑)」と三浦は笑顔を見せつつ、「いつもどおりの緊張感で、シンプルにやりたい」と表情を引き締めた。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストweb編集部)

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