「FIFAは厳しく追及を」ハーランドらノルウェー代表はW杯ボイコットも? 開催国カタールの人権問題にTシャツで抗議、ドイツ代表も続く

2021年03月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

英紙が報じた、カタールでの人権軽視疑惑に抗議

ドルトムントに所属する20歳のハーランド。複数のビッククラブからの関心が報じられる存在も、抗議Tシャツに身を包んだ。(C)Getty Images

 現地時間3月24日に行なわれた、2022年のカタール・ワールドカップの出場をかけたヨーロッパ予選のG組、ジブラルタル対ノルウェー戦が行なわれ、3-0でノルウェー代表が勝利した。

 しかし、順調に予選を勝ち進んだとしても、ノルウェー代表は本大会をボイコットする可能性があるようだ。

 この試合で選手たちは、整列時に全員が胸元に「HUMAN RIGHTS ON and off the pitch」と記載されたTシャツを着用。中継を担当した『Sky Sports』によれば、ウォーミングアップ時には「RESPECT」との文字が入ったTシャツを身に着けていた。

 ピッチ内外で人権を、とノルウェーがアピールしている相手は、開催国のカタールだ。英紙『The Guardian』が3月上旬に報じたところによれば、カタールW杯の開催決定以来、インド出身の労働者2711人をはじめとする、6500人以上の移民労働者がカタールで死亡。このうち、スタジアムの建設に関与した労働者は37人が亡くなったと報じていた。
 
 報道はヨーロッパで大きな波紋を呼び、ノルウェー国内で大会のボイコットを推奨する声が上がるなど、議論が過熱している。

 こうした反響を受け、同国サッカー協会(NFF)も当該疑惑の専門調査を行なう委員会を設置。「カタールが国内の人権をどう扱っているのか。ノルウェーのサッカーがこの事態にどう応じるべきかを含め、国が何をすべきか検討する」と発表していた。

 チームを率いるストーレ・ソルバッケン代表監督は、「これは国際サッカー連盟(FIFA)に対する圧力を強める意味がある。彼らがカタールの当局にもっと強く、厳しく要求する必要があるからだ」とコメント。また、主将のマーティン・オデガードも「多くの選手がこの問題に興味を持ち、関心を持ち、いい形で貢献したいと考えて、このような形になった」と述べた。

 カタール当局は報道に対して「人口統計の予想範囲内の死亡率だ」と反論しているが、25日に行なわれたドイツ代表の試合でも、選手たちが人権問題に抗議するTシャツを着用。この疑惑に関するヨーロッパ、そして世界が追及する動きは過熱する可能性を秘めていると言えそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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