「日本と台湾の懸け橋に」元東京Vの一柳夢吾が推進する草の根の国際交流『PR0JECT ONE』と現役へのこだわり

2021年03月23日 海江田哲朗

『PR0JECT ONE』を立ち上げるきっかけになったヴェルディユースの後輩へのマスク寄贈

一柳夢吾と石森孝志八王子市長。

 3月19日、八王子市役所の市長公室にて、サッカーボール15個の受領式が行なわれた。

 石森孝志市長にボールを手渡すのは、かつて東京ヴェルディやベガルタ仙台、ザスパクサツ群馬などでプレーした一柳夢吾。センターバックを中心にサイドバックもこなし、昨季までの2年間は台湾リーグ1部の台中Futuroに所属した。

 寄付を企画したのは、一柳が中心となって推進する『PR0JECT ONE』(PROJECT の「O」の表記は数字のゼロ)。日本への貢献活動、及び日台交流強化を目的とするプロジェクトチームで、台湾女子サッカーリーグで活躍する若林美里(高雄陽信銀行女子)もメンバーの一員だ。

 今回は一柳のほか、『PR0JECT ONE』と連携する千代田区のフットサルチームkitの田口優樹代表と協力を申し出た中央大学学友会サッカー部の立花太我コーチの3人が石森市長と面会し、受領式に参加している。

 いわば『PR0JECT ONE』は草の根の国際交流、社会貢献活動である。どのような動機に基づき、立ち上げたのか。

「昨年、日本がマスク不足だった時、自分の育ったヴェルディユースの後輩たちに台湾からマスクを1000枚寄贈したんですね。僕が発起人になり、アカデミーOBの有志が協力してくれました。すると、お世話になった指導者の方々や知人から連絡が入り、とても喜んでもらって。どうせなら継続して何かできないかと」

 当時、一柳は東京Vを通じて、〈ヴェルディアカデミー出身者として何か恩返しできないかと考え、今回の寄付に至りました。未来のチームを支える選手達に少しでも力になれれば嬉しく思います。皆さんの力でまた魅力的で強いヴェルディを作っていって下さい。OB一同応援しています〉とエールを送っている。

 昨秋、『PR0JECT ONE』は宮城県名取市閖上小中学校、広島県尾道市にサッカーボールを寄贈。八王子市と台湾・高雄市が海外友好交流都市の関係とあって、橋渡し役を務めることになった。

「2年間、台湾で生活し、向こうの人たちには本当によくしてもらいました。日本の下町みたいな人情味があるんですよ。僕はサッカーに育ててもらった人間ですので、サッカーを通じて社会に還元できることを。日本と台湾の架け橋になれればと考えています」
 

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