アビスパ福岡、甲南大DF井上聖也の加入内定を発表!元神戸の柳川監督も太鼓判を押す大型CBの潜在能力とは?

2021年03月12日 森田将義

プロ入りへの想いを秘めるも「周りからは鼻で笑われていた」

福岡加入内定が発表された井上。伸びしろも十分な大型CBだ。写真:森田将義

 J1のアビスパ福岡は12日、甲南大DFの井上聖也(4年)が2022年シーズンから加入することが内定したと発表した。県立西宮高の出身の井上は187cmの大型CB。今年1月に開催された『#atarimaeni CUP サッカーができる当たり前 に、ありがとう!』では、創部初の全国大会出場に貢献し、チームはベスト8進出を果たした。加入にあたり、井上は「早い段階で内定を頂けたのは素直に嬉しい。これから学生リーグでプロ内定選手として見られると思うけど、気にせず今の課題としっかり向き合って、プロ1年目からレギュラーとしてスタメンを勝ち取って、チームの勝利に貢献したい」とコメントしている。

 秘めたポテンシャルは、今年の大学生CBの中でもトップクラス。ヴィッセル神戸を筆頭に複数のJクラブでCBとして活躍した甲南大の柳川雅樹監督も「ボールも蹴れるし、背が高くてヘディングが強い。僕よりも運動量があるので、すごく期待している。ゲームを通して安定感やキックの精度が上がってくれば、もっと高い評価をされると思う」と評しており、アビスパ福岡の将来を担う存在となり得る可能性を秘めている。

 高校時代から恵まれた身長と左右両足から繰り出すロングフィードが光る選手だったが、全国大会への出場が無ければ、目立った選抜歴もなかった。自身も「小さい頃から、ずっとプロになると思っていたし、口にしていた。でも、実力が伴っていなかったので、周りからは鼻で笑われていた」と振り返る。存在感を増していったのは大学に入ってから。2年時には関西2部リーグで出場機会を伸ばし、冬には自身初の全国大会となる「全日本大学サッカー新人戦」も経験した。1部リーグにステージを移した昨年は、1学年上のMF木村太哉がファジアーノ岡山への内定を掴み取り、夢だったプロ入りが現実味を帯びだした。

 関西学生サッカーリーグでは、守備の要として過去最高成績となる3位に貢献。「#Atarimaeni CUP」では3試合に出場し、セットプレーからゴールも奪ったが、準々決勝の早稲田大戦では持ち味を発揮できず、「関東勢と対戦する時にどれだけやれるかが大事だと思っていた。自分の足りない部分を感じた大会だった」と課題も見出した。

 しかし、大会終了後には井上のプレーを高く評価したアビスパ福岡から連絡を受け、1月末から2月上旬にかけて宮崎キャンプに帯同。プレーの安定感で課題を痛感しながらも、高さを活かした競り合いの強さでは手応えを掴んだ。また、福岡にはDFドウグラス・グローリ、DFカルロス・グティエレスの外国籍選手を筆頭に実力派のCBが多数在籍しているのも大きな刺激となった。
「目立つ武器が明確にある選手ばかりで、参考になった」
 

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