鬼木達監督が“好調”大久保嘉人へかけた言葉「改めてストライカーだな」

2021年03月11日 本田健介(サッカーダイジェスト)

川崎戦では2ゴールの活躍

開幕4戦で4ゴールの大久保。C大阪の一員として等々力に戻った川崎戦では2ゴールの活躍を見せた。(C)SOCCER DIGEST

 開幕したばかりの新シーズンのトピックとして、挙げられるのが大久保嘉人の活躍ぶりだろう。15年ぶりに復帰したC大阪戦での初戦・柏戦でいきなりゴールを決めると、続く川崎戦では圧巻の2ゴール。そしてFC東京戦では3試合連続ゴール。3月10日の清水戦では点を奪えなかったものの、38歳のストライカーのインパクトは抜群と言えるだろう。

 特に古巣対戦となった11節・川崎戦(他チームに先立って開催)での2ゴールは素晴らしかった。

 開始5分、右サイド、相手ペナルティエリアのやや外でボールを持つと、右足を強振。ブレ球気味に放たれたボールは名手・チョン・ソンリョンが精一杯伸ばした手をかすめてネットに突き刺さった。

 さらに1-1で迎えた22分には巧みなポジショニングで右サイドから松田陸が上げたクロスを逆サイドでプッシュ。ともに雄叫びを上げるゴールセレブレーションで健在ぶりを示したのだ。

「やっぱりボールが集まるのが一番、大きいです。今まで点を取れていなかったんですけど、最後のところにいるけど、ボールが来ない。見てもらえない。今は、いれば、来る。そこが自分にとって一番大きいです。チームのために決めてやろうという気持ちでやれているので、いい感じだと思います」

 本人は好調の要因をそう語る。
 そしてピッチの上では獰猛な獣のようなハンターも、古巣の川崎サポーターからも活躍を祝福される愛されるキャラクターでもある。

 川崎戦後にはベンチ前でかつて指導を受けた鬼木達監督からも、なにやら言葉をかけられていた。どんなメッセージを送られたのか、数日後に指揮官に尋ねると、こう答えてくれた。

「今、調子な良いなという話と、うちの時によく取るなという話を、そして取るなよという言葉をかけました(笑)。

 身体のキレも良いようですし、改めてストライカーだなと感じましたね。だからこそ改めて声をかけにいったという形でした」

"改めてストライカーだな"――その言葉はかつての教え子が活躍する喜びや、ひとりの選手へのリスペクトを感じられるものだった。

 多くの人々から期待を集める選手である。今後のさらなる活躍にも注目したい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
  
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事