【ナビスコカップ4節】鳥栖の『エース候補』、18歳の鎌田大地がインパクト十分のJ初先発!!

2015年04月23日 安藤隆人

試合で使ってもらえず、指揮官に1時間の直談判も。

FC東京戦で初スタメンを飾った鳥栖のルーキー・鎌田。スケールの大きさを感じさせるパフォーマンスを見せた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 4月22日に行なわれたヤマザキナビスコカップのAグループ4節。鳥栖は、敵地でのFC東京との一戦を0-2で落としたが、結果では測れない大きな収穫を得た。それが高卒ルーキー・鎌田大地の躍動だ。ナビスコカップ3節の新潟戦で公式戦デビューし(※J-22選抜としてJ3には1試合出場)、この日、初スタメンに抜擢された期待の新星である。
 
 今年、京都の東山高から加入した鎌田は、入団後すぐに才能の高さを見せつけた。
「プレーも落ち着いているし、堂々としている。すぐに出番があると思った」
 こう語るのは、守護神の林彰洋だ。経験豊富な林の目をもってしても、この高卒ルーキーが持つポテンシャルは際立っていた。
 
 威力・精度ともに十分のキックを両足に備え、180センチの高さと強さを持ちながらも、足下の技術にも長けている。そうした個の能力を活かして1.5列目の位置から高い攻撃力を披露する。
 
 高校時代から、潜在能力の高さを評価され、高2の時にはプリンスリーグ関西で圧巻のプレーを見せて、プレミアリーグ昇格に貢献。昨年、チームは1年でプリンス降格の憂き目に合ったが、それでも鎌田は10得点を挙げ、得点ランキング4位タイにつけてみせた。
 
 高3時には、プロ入り後の展望をこう語っていた。
「大学を卒業したらもう22歳。22歳でプロでは世界的に見たら遅い。高校から直接Jリーグに行って、1年目から出ることが理想」
 
 そして鳥栖入団を勝ち取った鎌田は、念願のルーキーイヤーでのトップデビューも果たし、まずは「試合に出る」という目標を早々に実現させた。
 
 本来はトップ下だが、この試合はボランチで出場。「ボランチ起用でびっくりしましたが、落ち着いてやれた」と語ったように、中盤のボールの収まりどころとして機能。13分には浮き球の縦パスを通すと、41分にはドリブルで相手3人に囲まれながらも、落ち着いてボールキープ。そのプレーぶりはデビュー戦とは思えないほど、堂々としていた。
 
 後半途中には本来の1.5列目にポジションを変え、積極的に裏のスペースに飛び出した。ゴールとはいかなかったが、その存在感は絶大で、試合後のミックスゾーンでは、「あの24番は何者なんだ?」と、居合わせた報道陣たちの舌を巻かせた。ミックスゾーンに姿を現わすと、たちまち大勢の報道陣に囲まれた。
 
「開幕の時から『なぜ俺を使わないんだ』と思っていた。森下監督とも1時間話し合ったりもした。こうして試合に出られて嬉しい」
 思っていることをはっきりと口にできる彼のキャラクターは健在だった。
 
 そして、指揮官もまた、鎌田の能力の高さを改めて実戦で確認できたようだ。
「彼にはセントラルMFとして、ゲームを支配できる選手になってほしいと思っている。彼はゲームを決定づけられるような能力を持っている。これからもっと中央で君臨するようなプレーをしてほしいし、できると思っている」
 
 試合後、森下仁志監督が大きな期待をはっきりと口にしたように、まさしく将来の鳥栖の『エース候補』に指名された鎌田。18歳のルーキーが、未来への確かな第一歩を踏み出した。
 
取材・文:安藤隆人

■試合の結果
FC東京 2-0 鳥栖
得点者/F=三田×2(18・57分)
 
■ナビスコカップ 4節の結果
Aグループ
FC東京 2-0 鳥栖
甲府 2-2 新潟
松本 2-4 広島
 
Bグループ
清水 2-1 仙台
名古屋 1-0 横浜
神戸 0-0 川崎
 
■順位表
Aグループ
順位 チーム 勝点 得失差
1 FC東京 7 3 2 1 0 5 2 3
2 広島 5 3 1 2 0 6 4 2
3 湘南 5 3 1 2 0 3 2 1
4 新潟 5 4 1 2 1 4 4 0
5 松本 4 4 1 1 2 7 8 -1
6 鳥栖 4 4 1 1 2 2 4 -2
7 甲府 1 3 0 1 2 3 6 -3

Bグループ
順位 チーム 勝点 得失差
1 名古屋 10 4 3 1 0 10 6 4
2 神戸 5 3 1 2 0 3 1 2
3 山形 4 3 1 1 1 7 7 0
4 川崎 4 3 1 1 1 3 3 0
5 仙台 4 4 1 1 2 4 5 -1
6 横浜 3 3 1 0 2 2 2 0
7 清水 3 4 1 0 3 3 8 -5
 
 
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