ついに浦和の逸材GK鈴木彩艶がトップデビュー!指揮官も評価した初陣のパフォーマンスは?

2021年03月03日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

昨年の反省を生かし、キャンプから意識してきたのは…

ジュニア時代から浦和の下部組織で育った鈴木。ついにトップチームデビューを飾った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 新生レッズ、そして日本サッカー界の将来を担うであろう逸材GKがついにJデビューを飾った。

 3月2日のルヴァンカップ・グループステージ第1節、レギュラーの西川周作に変わってスターティングメンバ―に名を連ねたのは、鈴木彩艶(すずき・ざいおん)だった。

 18歳6か月9日でのJデビューはクラブのGKで最年少記録だ。

 彩艶は小学5年生の頃から浦和のアカデミーで育った筋金入りの"レッズっ子"である。ガーナ人の父と日本人の母の下に生まれたハーフで、図抜けた身体能力が持ち味だ。

 そのポテンシャルは中学時代から高い評価を集め、2017年には15歳にしてU-17ワールドカップのメンバーに選ばれると、19年には二度目のU-17ワールドカップに出場。さらにその19年にはU-20ワールドカップメンバーに飛び級で招集されてもいる。
 
 高校1年次にはクラブ史上最年少の16歳5か月11日でプロ契約を締結し、昨季はリーグ戦16試合でベンチ入り。順調なキャリアアップをしてきた。

 それでも彩艶にとって、昨年は満足のいくシーズンではなかったという。今季の開幕前に開かれた新加入会見では「昨シーズンは試合に出場することができず悔しい思いをした。技術的な部分も含めて自分が劣っているのは分かっていますけど、それ以上にゲームでの振る舞いなどをもっと成長させないと、試合に出るのは難しいと思います」と話していた。

 昨年の反省を生かし、今季はキャンプからコーチングを強く意識してきたという。「今日のゲームだけじゃなくて、練習や練習試合から改善できたかなと思います」という手応えは指揮官にも伝わったのだろう。

 見事に先発の座を掴んだ湘南戦(0-0のドロー)では、堂々たるプレーを披露する。19分、20分に立て続けに相手のシュートをブロックすれば、27分には鋭いFKを身体を張って守り、51分には痛烈なミドルを阻止してみせた。

 ゴールマウスの前でドッシリと構える立ち姿には、緊張した様子はほとんどなく、ひとり立ちした風格が感じられた。

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