“メッシ2世”と称えられた天才少年ガイ・アスリンは今どこへ?「過去の失敗を活かしたい」と決めた新天地は――

2021年02月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

伸び悩んだ天才少年が選んだ新天地

バルサの未来を担うと大いに期待されたアスリンだが、周囲のプレッシャーをはねのけることはできなかった。 (C) Getty Images

 2004年10月にリオネル・メッシがトップチームデビューを飾って以来、バルセロナには数多くの「メッシ2世」が誕生した。しかし、10代にして台頭し、名を上げた彼ら全員が"本家"を超えることができずに今に至っている。

 そんな消えた天才たちのなかでも、「最も本物に近い」と称されたこともあるのが、元イスラエル代表FWのガイ・アスリンだ。

 メッシと同じくバルセロナのカンテラ(下部組織)出身のアスリンは、2007年にジョゼップ・グアルディオラが率いていたバルセロナBで一気に台頭。1年目に22試合で10ゴールを叩き出して、天才の片鱗を見せていた。

 小柄で、サラサラ髪のドリブラーという風体やプレースタイルも相まって、アスリンの「メッシ2世」としての認知度が世間に広まるまでに、そう時間を必要とはしなかった。"恩師"グアルディオラがトップチームに招聘されていた2009年には、バルサBの同期であるチアゴ・アルカンタラ(現リバプール)らとともに、トップチームデビューを果たし、スターダムを駆け上がっていった。

 しかし、そこから伸び悩んだ。2010年にバルサとの契約更新を拒み、マンチェスター・シティにステップアップを果たすも、リザーブチームでのプレーやブライトンへのローン移籍などパッとしない成績に終始してわずか1年半で契約解除。2012年の7月にラシン・サンタンデールに移籍してからは、故郷イスラエルのハポエル・テルアビブやカザフスタンのカイラトなど4か国6チームを渡り歩いた。

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 才能を開花させられないまま、表舞台から消えていったアスリン。だが、彼は29歳となった今も現役を続けている。現地時間2月13日にはセリエD(伊4部)のACクレマとの契約が発表された。

 キャリアで初のイタリア挑戦となるアスリンは、クレマの公式サイトで、「自分が学んできたことを活かしたい」と意気込んでいる。

「僕はここいる。そう宣言するよ。ずっとイタリアでプレーをしていきたいと思っていたし、それがようやく実現できた。僕はもう昔みたいに若くないし、自分の人生とキャリアを考える時が来ている。だから、自分の価値観と人間関係のバランスが取れた家族のようなチームに入りたかった。

 このクレマは、トップチームだけじゃなくて、ブラインドサッカーや女子、それから若手のキャリアに対するサポート体制がきちんとしている育成組織がある。それらが社会的プロジェクトとリンクしているから僕は『このクラブなら大丈夫だ』と確信した」

 さらに「誰もが知ってる僕の過去の失敗や重要なヨーロッパでの経験をクラブのために共有したい」とも語ったアスリン。そのプロキャリアは華々しいものではなくなったが、かつての天才少年は、再び活躍ができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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