「監督のタケへの発言は信頼低下の始まり」先発落ちした久保建英の現状にスペイン人記者が嘆き!「どうしても不可解なのは…」【現地発】

2021年02月12日 ラディスラオ・ハビエル・モニーノ

タケやアレニャのスタメン落ちは驚きだった

意気込んでいたはずのマドリー戦で、久保は5試合ぶりのベンチスタートとなった。(C)Getty Images

 ヘタフェが敵地バルデベバスに乗り込んだレアル・マドリー戦、まず驚かされたのが、ホセ・ボルダラス監督が発表したスタメンにタケ・クボ(久保建英)、カルレス・アレニャ、ハイメ・マタの3選手の名前がなかったことだ。

 チーム周辺ではタケとアレニャへのサポート体制を強化するために2トップの採用を巡る議論が出始めていた矢先だった。その4-4-2への回帰はしたが、攻撃への比重を置く戦術への転換に取り組んでいた指揮官は、その目玉だった3人をベンチに置いたのだ。

 代わりに2トップを形成したのがアンヘル・ロドリゲスとクチョ・エルナンデス。前半、慣れ親しんだシステムで相手の攻撃を封じ33人を投入する後半のラスト30分で勝負をかけようというのがボルダラスの戦略だったはずだ。

 ただその青写真通りに試合が進んだのは、前半だけだった。最初45分間、ガチガチに守備を固めてマドリーを無得点に抑え、ボルダラスは約30分を残してタケ、アレニャ、ハイメ・マタを立て続けに投入。しかしその矢先にカリム・ベンゼマのゴールで先制を許してしまったのだ。

 実際、その後のヘタフェはまるで攻撃の糸口を掴むことができなかった。同点を目指して反撃に転じなければならなかったが、得意のカウンターすら繰り出せない始末。タケはハイメ・マタとアレニャと同様に激しい雨に打たれる中、難破船のようにピッチを彷徨うだけだった。

【動画】「監督は久保にいい印象を抱かなかっただろう」スペイン人記者が指摘したシーン(4分36秒~)
 マドリーへの帰還を目指すタケにとって、この一戦は自らの価値を証明する絶好の機会でもあった。ベンチスタートについてボルダラス監督からその意図の説明を受け、頭で理解しようと努めただろうが、内心は悔しさでいっぱいだったはずだ。

 今後、このショックからどう立ち直るかは見ものであるが、おまけにマドリーの2点目はタケが守っていたゾーンを攻略されてのものだった。対面するフェルラン・メンディに突破を許し、そのままフランス人SBはゴール前に走り込みマルセロのクロスボールを押し込んだのだ。

 いうまでもなくボルダラスは全選手に対して攻守のハードワークを徹底する監督だ。この場面でのタケのプレーを見て、ポジティブな印象を抱かなかったであろうことは想像に難くない。

 この時点で勝敗は決まった。ヘタフェが展開したサッカーは、ここ数試合の焼き増しのような内容だった。パスが繋がらず、攻撃の形を作れない。その中で冬に加入したタケとアレニャも試合を経るごとにパフォーマンスが下降線を描いている。

【動画】絶妙のタッチに注目! 久保のパスカットから始まった電光石火の18秒弾はこちら

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