圧巻の輝き放つ41歳の遠藤保仁に、敵将も脱帽する元日本代表MF… 円熟味を増す7人のベテランたち

2021年02月09日 元川悦子

【鹿児島&宮崎キャンプコラム|ベテラン編】磐田で2年目の遠藤はTMで存在感。大久保は前人未到の大記録を狙う

今季のJリーグを盛り上げそうなベテランたち。写真は、左上から時計回りに、大久保嘉人、遠藤保仁、権田修一、青山敏弘。

 26日のJリーグ開幕まで3週間を切り、各クラブの調整も本格化しつつある。40歳の中村憲剛(川崎FRO)や38歳の佐藤寿人が昨季限りで引退するなか、まだまだピッチに立ち続ける30代以上のベテラン勢も少なくない。鹿児島・宮崎キャンプで存在感を発揮した年長者たちにフォーカスした。

 まずはジュビロ磐田の遠藤保仁。41歳の誕生日を迎え1月28日に鹿児島で始動し、「鴨池(白波スタジアム)に来て懐かしく思いますし、僕にとっては初めての鹿児島キャンプ。非常に楽しみ」と笑顔を見せた。「自分は毎年が勝負。チームメートとの競争に勝ってこそ試合に出られる。将来のビジョンはあまり考えてないけど、一日一日を充実させられるようにしたい」と今季の磐田での戦いに集中する考えを示した。

 鈴木政一監督は「ヤットは少し遅れて合流しているんで、ゆっくりと焦らずコンディションを上げてもらえればいい」とスロー調整を強調したが、2日の鹿屋体育大、6日の清水エスパルスとの練習試合では存在感を示した。特にSC相模原から加入した鹿沼直生とボランチコンビを組んだ前者では、持ち前の多彩なパスセンスを披露。ボール回しの起点となり、攻撃にリズムを与えるなど、圧巻の仕事ぶりを見せた。

 昨季は途中加入ながら、15試合に出場し、直接FK弾を含む2ゴールを挙げたが、今季はそれ以上の働きが期待される。ある意味、磐田のJ1昇格はヤット次第と言っても過言ではない。シーズン通してフル稼働すべく、本人もさらにエンジンを上げていくつもりだ。

 遠藤とともに2014年ブラジル・ワールドカップ(W杯)に参戦した大久保嘉人(C大阪)、青山敏弘(広島)、権田修一(清水)も着実に状態を上げている。

 とりわけ気になるのが、今季中の引退説も流れた大久保。しかしながら、4日の徳島ヴォルティスとの試合にも元気に出場し、「去年やめようと考えたという話は口だけ。やめないですよ」と周囲の雑音を一蹴した。

【J1】各チームの2021年シーズン予想フォーメーション


「正直、走るのはめんどくさいし、サッカーもあんまり好きじゃないけど、『まだやりたいな』という気持ちがあるからやってる。それがなくなったらやめるっていうのは、プロになった20歳くらいの頃から言ってること。若い時には分からなかったことも見えるようになったし、それを若手に伝えられる。まだ楽しいよね」と15年ぶりの古巣でやりがいを感じながら追い込みをかけている様子だ。

 とはいえ、今季のセレッソFW陣は豊川雄太、加藤睦次樹、タガートと激戦。J1通算185得点の大久保と言えども、レギュラーが確約されているわけではない。それでも本人は「200得点を取る」と宣言。クラブとしても最大限のバックアップしていく構えだ。

「(ヴィッセル)神戸の時も、ジュビロ(磐田)の時もそうだったけど、なんで点が入らないかと言うと、シュートが打てないから。神戸で4点だったのが、川崎行って急に26点になったのは、自分にパスが来てシュートが打てる状況だったから。セレッソでもそうなるように声をかけていきます」と言う38歳の点取屋の鼻息は荒い。かつてのギラギラ感を再び見せて、大記録を達成してほしい。
 

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