【J1戦力分析|セレッソ大阪編】M・ヨニッチら重要戦力の流出は痛恨…。躍進のポイントは新指揮官の“育成力”

2021年02月06日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

自慢の堅守が崩壊の危機に

C大阪の2021年シーズン予想布陣。加藤や松本など、20代のタレントを多く獲得したが…。

 ACLを戦いながら(プレーオフから出場)、ノルマの「トップ3」(梶野チーム統括部長)を目指すには、心許ない陣容だ。

 とくに最終ラインの要で、残留が見込まれていたM・ヨニッチの電撃退団は痛恨で、その穴は簡単に埋まりそうもない。代役としてセアラーから獲得したチアゴも実力未知数。進藤、新井、鳥海を加えて駒は増えたとはいえ、最終ラインの不安は拭えない。さらに守備のマルチロール木本、ボール奪取が光ったボランチのデサバトも放出し、ここ2年で築いた自慢の堅守が崩壊の危機にある。神戸でレギュラーを務めたダンクレーの獲得を目論んでいるとも報じられるが……。

 予想を良い意味で裏切ってほしいのが、8年ぶり4度目の指揮となるクルピ監督。昨年金沢で13ゴールを決めた加藤や、広島からレンタルで加入したU-24代表候補の松本など、20代のタレントを多く獲得しただけに、人材育成に定評のある指揮官が彼らのポテンシャルを引き出せるかが、躍進のポイントとなる。
 
■ポジション別戦力分析
FW
柿谷など6人が抜け4人が加わり、顔ぶれが変化。新エースと目されるオーストラリア代表のA・タガートには早急なフィットを期待したい。

MF
清武と坂元の二枚看板は健在で、ボランチも粒揃い。原川、松本ら即戦力を獲得し、デサバト退団による質の低下を量で補った印象だ。

DF
昨季に飛躍的な進歩を遂げた瀬古、松田と丸橋の両SBの残留は朗報だが……。新助っ人のチアゴにM・ヨニッチの代役が務まるか。

GK
正守護神は在籍13年目のキム・ジンヒョンに変わりないだろう。ベトナムで絶大な人気を誇るダン・バン・ラムも加え陣容を整えた。

監督
2年連続で上位(5位→4位)に導いたロティーナ監督が退任。攻撃的なスタイルへと舵を切るが、クルピ監督は前任者を上回れるか。

文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
※『サッカーダイジェスト』2月11日号(1月28日発売)より一部修正して転載。

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