マルセイユに緊急事態発生! 暴徒化したウルトラス集団300人が練習場を襲撃「選手に背後から攻撃を…」

2021年01月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

ヴィラス・ボアスの発言で怒りが爆発

不振にあえぐマルセイユの選手たちが“味方”から思わぬ攻撃を受けた。 (C) Getty Images

 衝撃的なニュースが舞い込んできた。

 現地時間1月30日、全国にネットワークを持つラジオ局『RMC』をはじめとするフランスの複数メディアは、酒井宏樹と長友佑都が所属するリーグ・アンの古豪マルセイユのトレーニング施設を、暴徒化したウルトラス(熱狂的なサポーター集団)が襲撃したと一斉に報じた。

 アンドレ・ヴィラス・ボアス体制2年目を迎えた今シーズンのマルセイユは開幕から低調なパフォーマンスが続いている。7年ぶりに出場したチャンピオンズ・リーグ(CL)も1勝5敗と散々な結果でグループステージ敗退の憂き目に。さらに上位争いが期待されたリーグ・アンでもCL出場権獲得圏の3位から勝点13差と大きく後退し、サポーターたちはフラストレーションを溜め込んでいた。

 そして、現地時間29日にヴィラス・ボアス監督が「今の成績から見て契約延長はありえない」と今シーズン限りでの退任を明言したことで、ついに過激な一部サポーターの怒りが沸点に達してしまったようだ。

 速報を伝えた『RMC』によれば、練習場を襲撃したのは200人から300人のウルトラスで、「社長と会長は去れ! 選手たちはお前を憎んでいる」とジャック=アンリ・エイロー社長をはじめとする首脳陣の退陣を要求するバナーを掲げながら爆竹や発煙筒を投げ込み、施設の警備を強行突破。一部で火災が発生する事件を起こしたという。

【動画】クラブハウスで大暴れ! マルセイユのサポーター集団たちの襲撃映像はこちら
 また、「25人が逮捕された」と報じた地元紙『La Provence』は、クラブの施設に強行的に侵入した集団が、クラブ幹部の他に、主力として活躍が期待されていたディミトリ・パイエとフロリアン・トバンへの攻撃を画策していたと伝えている。

 同紙は次のように速報を綴っている。

「成績不振に怒りが限界に達したサポーター集団300名は、会長をはじめとする首脳陣と選手たちを攻撃しに出向いた。彼らのクーデターを止めるため、緊急配備された警察は催涙ガスを用いた緊急的な対応を余儀なくされた」

「マルセイユの選手たちはその現場にいた。そして責任を感じ、怒る集団の前に赴いたアルバロ・ゴンサレスは、背後から何かの発射物をぶつけられた」

 一連の暴動事件により、マルセイユは同日に本拠地オランジュ・ヴェロドロームで開催を予定していたレンヌ戦(リーグ・アン第22節)の延期を発表。さらにジャック=アンリ・エイロー氏は公式声明で「野蛮な大群が押し寄せ、ここまで破壊されるとは思ってもみなかった」と語っている。

「とても恐ろしかった。我々に悲劇的なことが起きていたかもしれない。選手やスタッフはショックを受け、恐怖している。我々の目の前にいたのは滞納者や凶悪犯、何も尊重が出来ない人間たちだ。一体どうやって彼らがここまでたどり着いたのか……。とにかくすべてにがっかりしている」

 シーズン後半戦での不振脱却を目指す古豪マルセイユ。だが、彼らを取り巻く空気は限りなく重いものとなっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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