【横浜FC】「番号も、番号ですし」“覚悟”の10番・中村俊輔が見せる「自分の色」に期待

2021年01月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「自分の色を出したい、出せるかなっていう感触はあります」

背番号10を託された俊輔。今年6月には43歳を迎えるが、モチベーションも、自慢のテクニックにも衰えはない。(C)YOKOHAMA FC

 和歌山でのキャンプがスタートして3日目、オンライン取材に応じた中村俊輔は、現在のコンディションについて次のように話す。

「去年は入りがちょっとハードだったけど、今年は段階を踏んでいくっていう感じで。少しずつ上げている感じですね。そこまで身体はきつくはない。順調です」

 昨年末には故障で戦列を離れる時期もあった。そこの部分の状態はまだ完全に良くなってはいないようだが、フィジカルメニューも精力的にこなして身体を作っている。

 横浜FCには今季で在籍3年目。19年シーズンの途中に加入し、チームのJ1昇格に貢献。だが、昨季は怪我もあり、思うような活躍ができなかった。10試合・0得点。途中出場も多く、無念のノーゴール。持てる力を発揮しきれなかった。

「こういう時期もいつかはくるんだろうな」

 そんな想いを噛みしめながら、2020年を過ごした。そうした状況を甘んじて受け入れていたわけではない。「もちろん悔しいし、もっと出してもらえれば、できるのに」と自信をのぞかせる。

 チーム戦術と、自分にしかできないプレー。その両立の難しさも感じていた。

「チームでやることがある。そこに合わせつつ、自分の"色"を見せるっていう作業が、難しいですね。自分の色を出せば決定機とかは作れちゃうけど、最優先すべきはチームのやり方。そこのバランスですね」
 
 チームのやり方の中で、いかに"中村俊輔"を表現できるか。

「去年よりもチームのやることを分かっているぶん、身体も頭も入りやすい。今年は、番号も、番号ですし。去年よりは長い時間出て、自分の色を出したい、出せるかなっていう感触はあります」

 背番号は46から10に変更。クラブから打診され、いろいろと考えたが、最後は自分の意志で決めた。「覚悟です」。日本で最も10番が似合う希代のレフティは、強い決意でプロ25年目の節目のシーズンに挑む。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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