【広島|新体制・背番号一覧】少数精鋭4人の新加入選手が語るサンフレッチェのイメージとは?

2021年01月16日 中野和也

新加入会見で改めて認識された広島の「誇り」と「歴史」

オンライン上ではなく、記者会見を実施した広島。左からMF藤井、DF今津、GK川浪。写真:秋田耕二(フォトスタジオサンエス)

 オンライン会見隆盛の時代に、広島はいつもどおりの新加入記者会見を行なった。報道陣全員に検温とアルコールでの消毒協力を求め、長机に記者1人が座ることを義務づけてソーシャルディスタンスをとる。マスク着用はもとより、登壇する選手の間も距離をとった。感染症に対する対策は万全を期したうえで、会見を執り行なった。

 考えてみれば、記者会見の現場は選手と報道陣の間は常に距離が確保されている。マイクを使えば、質問者と選手・スタッフの間を近づける必要もない。会見後の囲み取材をやらなければ、ディスタンスは保たれる。

 そして何よりも記者会見独特の緊迫感と会場の豪華な雰囲気、そして熱気は、選手たちに強い印象を与える。「新加入会見の時は本当に緊張しました」と多くの選手が語っていたし、今日登壇した藤井智也も会見後、そうつぶやいた。

 やはり「アマからプロへ」「クラブからクラブへ」という転換期には、一つのセレモニーが必要だ。卒業式や入学式を空虚だと言う人もいるが、しかしセレモニーに参加したことによって歴史に線を引き、新しい時代に切り替えられる。オンラインだと日常の延長のようになりがちで、セレモニー感に欠ける。もちろん、今の状況で催しを行なうのは難しい部分もあるが、広島の会見に存在したまばゆさは、まさにプロフェッショナルの象徴だと感じた。
 
 今回の会見で特徴的だったのは、目玉とも言えるジュニオール・サントスが出席できなかったことだ。

 現在、新型コロナウィルスの影響で、海外からの入国がストップされてしまっている。だが、彼のように既に日本で暮らした実績のある在留資格認定証明書保持者については、様々な条件のもとにではあるが、再入国が可能。入国した後は2週間の隔離処置を経て、チームへの合流も可能となる。

 実際、彼は既に広島に入っているが、今は隔離中であるため、ビデオでの会見出席となった。

「広島は素晴らしいサッカーをやっているチームだと(昨季所属していた横浜F・マリノス時代から)認識していた。その広島のユニホームを着ることができるのは、自分にとっての誇りです。持てる力を発揮し、個人としてもチームとしても見たことのないような景色の場所にたどり着きたい」

 力強く語ったストライカーの言葉を彩った「誇り」という言葉。実は同じ「誇り」と言う表現は、仙台から移籍してきたプロ13年目のベテランGK川浪吾郎も使っている。さらに柏好文や佐々木翔、稲垣祥らに続いて甲府からの移籍となった今津佑太は、「この歴史あるクラブで結果を出したい」と語り、昨年から特別指定選手として活躍していた藤井も「歴史あるサンフレッチェ広島の一員になれたことが嬉しい」と言う。
 

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