なぜモドリッチは35歳で輝きを取り戻したのか? 関係者が証言する名手の素顔「病的なまでに…」【現地発】

2021年01月13日 エル・パイス紙

今シーズンのプレゼンスはむしろここ数年を上回っている

コンディションの良さを感じさせるパフォーマンスを継続して披露しているモドリッチ。(C)Getty Images

 昨シーズン、レアル・マドリーがラ・リーガ制覇を果たした夜の出来事だった。一通りの優勝セレモニーが執り行われた後、ルカ・モドリッチはその日の対戦相手だったビジャレアルのサンティ・カソルラと2人でしばらく話し込んだ。

「次に会うのはカタールだ。君が35歳になる頃にはね」

 その時点でビジャレアルを退団する決意を固め、シーズン終了後にカタール(アル・サッド)に新天地を求めたカソルラは、モドリッチに最後にこう告げてロッカールームへと去って行った。

 それからモドリッチは9月に35歳となり、今シーズン限りでマドリーとの契約は満了する。ただ事はカソルラが思い描いている通りに運びそうにない。あまりにも素晴らしいプレーを見せているからだ。

 いくら偉大な選手であっても、モドリッチのような年齢になれば、活躍は散発的にとどまるものだ。しかし今シーズンのプレゼンスはむしろここ数年を上回っている。

【動画】モドリッチが最新試合で披露した絶妙のアウトサイドパス
 元クロアチア代表で、現在は同チームのスカウトを務めるニコラ・イェルカンも「あの年齢でね。ルカは唯一無二の選手だよ」と驚嘆の声をあげると、さらにこう続ける。

「シャビや(アンドレス)イニエスタもそうだった。年齢を重ねればポジション取りが低くなるものだけど、ルカはそんなところは全くない。前線まで顔を出し、チャンスに絡み続けている。しかもそのプレーを(インテリオールという)要求レベルの高いポジションで成し遂げている。卓越したサッカーIQを活かしながらね」

 親しい知人も同調する。「もう3シーズンはトップレベルでプレーできるだろう。ルカ自身もそのつもりのようだ。毎試合これが最後という強い覚悟を持って臨んでいる。豊富な運動量は健在で、何よりプレーするその姿からサッカーが楽しいという気持ちがみなぎっている」

 モドリッチ自身も「コンディションはいいよ。継続して試合に出ているのがいい。休息を挟むよりも僕には合っている」と語る。

 その意味でプラスに作用したのが、新型コロナウイルスの影響による中断だった。
 

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