【選手権決勝展望】山梨学院×青森山田|11年越しの再戦、カギを握るのは2年生アンカーの存在。元同僚対決にも注目!

2021年01月11日 安藤隆人

ポイントとなる青森山田のアンカー宇野。山梨学院に求められるのは…

決勝で11年ぶりに対戦する山梨学院(左)と青森山田(右)。どのような展開になるのだろうか。写真:徳原隆元

高校選手権 決勝
山梨学院(山梨)vs 青森山田(青森)
1月11日(月・祝)/14:05/埼玉スタジアム2002


 奇しくも11年前と同じ決勝のカードとなった第99回全国高校サッカー選手権大会。前回準優勝の青森山田、11年前の王者・山梨学院ともに今大会を通じて、チーム力を数ランク上げている印象を受ける。

 青森山田は4-1-4-1のシステムの成熟度が非常に高い。ポイントとなるのがアンカーの宇野禅斗(2年)だ。彼のプレーを見れば見るほど、機転が利くというべきか、前後にいる選手の個性を際立たせるような働きをする。前には注目の2年生MF松木玖生と今大会絶好調の安斎颯馬(3年)の2シャドーがおり、後ろには浦和レッズ内定の藤原優大(3年)と秋元琉星(3年)の安定感抜群のCBコンビがいる。

 宇野は2シャドーが飛び出したスペースを埋めながら、攻撃をサポートする一方で、2CBが守りやすいように相手のパスコースやドリブルコースを限定したり、プレスバックで挟み込む。

 しかも上下だけでなく、左右斜めにも関われることが大きな魅力だ。頻繁に攻撃参加をする内田陽介(3年)とタビナス・ポール・ビスマルク(3年)の両サイドバックとの距離をうまく取り、敢えて真ん中のスペースを開けては斜めにボールを運ばせて起点を作らせる。かつ彼らが上がった裏のスペースもカバーするなど、まさに縦横無尽で高速サポートを続ける鉄人だ。

 山梨学院にとっては、宇野にいかに自由を与えないかが大きなポイントになりそうだ。山梨学院は4-4-2のダブルボランチを敷く。アンカーに対して2枚で応対し、トップ下に近い働きをするFW野田武瑠(3年)と3人で囲み込む形となるが、動きを抑えるだけではなく、宇野が動いて空いたスペースを活用できるかも重要な鍵を握る。

 その点に関しては、これまで緻密な分析と戦術で快進撃を続けるチームを牽引する長谷川大監督も織り込み済みだろう。このポイントの他にも、青森山田の両サイドバックと両サイドハーフの縦関係の遮断や、1トップの名須川真光(2年)に起点を作らせないなど、多くのタスクがある。
 

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