「映像を見たら、何もやっていなかった(笑)」スイス移籍の鈴木冬一が語る、イングランド代表の逸材とのマッチアップ【インタビュー/後編】

2021年01月10日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ライネスやすごい選手ともやりましたけど…」

U17W杯でフォデン(右)とマッチアップする鈴木。当時の印象を訊いた。(C) Getty Images

 サッカーダイジェストでは、スイス1部のローザンヌ・スポルトへの完全移籍が決定した鈴木冬一にインタビューを実施。その後編では、いまや欧州のビッグクラブで活躍する逸材と対戦した過去の世界大会や、2年間を過ごした湘南ベルマーレについて話を訊いた。

「ずっと対戦したかった選手が…」五輪世代・鈴木冬一はなぜスイス移籍を決断したのか?【インタビュー/前編】

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――(リオネル・)メッシが好きということでしたが、参考にしている選手はいますか?
「参考にしてるというか、レアル・マドリーのマルセロ選手のようになりたいですね。誰もが予想できないようなプレーしたり、サイドバックで圧倒的な技術を発揮したりする選手を目ざしています」

――サイドバック、ウイングバックとして固まってきたのはいつ頃から?
「(17年の)U-17ワールドカップの時は左サイドバックで出たんですけど、その2か月前ぐらいの代表合宿でサイドバックをやってみろと。それで、なかなか良いということになって、そこからですね。セレッソでも、長崎でもずっと前のほうをやっていたんですが、代表に行ったらサイドバックみたいな感じでした」

――そのU-17ワールドカップでは、イングランドのフィル・フォデン(マンチェスター・シティ)やカラム・ハドソン=オドイ(チェルシー)と対戦しています。いまプレミアリーグのビッグクラブでプレーしている選手たちと対戦して世界との差を感じた?

「あの試合は、たぶん今までで一番と言ってもいいぐらい鮮明に覚えてて、とにかく楽しかった。同年代のトップレベルの選手たちと互角にやり合って、(0-0でPK戦の末に)負けてしまったんですけど、戦えた手ごたえがあったので凄く印象に残っています。あの時に対戦した選手たちがどんどん世界で活躍するようになって、すごく刺激も受けますし、もう一度対戦して、次は勝ちたいですね」

【動画】日本を出国する鈴木冬一のメッセージはこちら
――フォデンとマッチアップしたのも覚えている?
「もちろん。けっこう中にポジションを取ってきたので、1対1でずっとマッチアップしてる感じではなかったんですけど、ロングスプリントではなく、一瞬のスピードが速かったというイメージが強いですね。技術ももちろん高かった」

――大きな差を感じた訳でもなかった?
「試合中はそうでしたね。ただ、後から映像を見たら、俺ら全然何もやっていなかった(笑)。守ってたから自分たちができているんじゃないかと思ってましたけど、映像で見たら全然ダメでしたね」

――19年のU-20ワールドカップでは、メキシコ代表の(ディエゴ・)ライネスとマッチアップしました。
「もちろんライネスやすごい選手ともやりましたけど、同年代のトップクラスは、あの大会には出ていなかった。U-17の時のほうがすごい選手が揃っていたので思い出深いですね。もちろんU-20でも良い経験をして、改めて世界でやりたいという気持ちが残った大会でした」
 

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