[高校選手権３回戦]富山一１-０神村学園／１月３日（日）／等々力

　試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ピッチに崩れ落ちた。涙が止まらない。怪物１年生コンビにとって、初めての選手権が終わった。

　U-17代表に招集経験があるFW福田師王とU-16代表で主力を務めるMF大迫塁。神村学園が誇る２人のスーパールーキーは、４年連続で檜舞台に立った鹿児島の雄の中でも、一番の注目を集めた。

　迎えた３回戦、前回大会の２回戦で０―１と敗れている富山一とのリベンジマッチは、しかし自慢のパスサッカーが機能しない。「10番にボールを持たせたくなかった」（大塚一郎監督）という富山一にパスの供給源であるMF永吉飛翔（３年）が徹底マークに遭い、前線までボールを運べない。

　前半途中から、大迫が２シャドーからボランチに下がり、ボールに触れるようになったが、５バック+３MFで構築する堅牢を最後まで崩せず。69分にセットプレーから失点を喫し、返り討ちを食らう結果となった。

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　２回戦の近江戦（１－０）の後に「一日でも長く３年生とサッカーがしたい」と語っていた福田は嗚咽が止まらず、大迫も先輩たちに抱きかかえながら歩くのがやっとだった。

　ここで大会を去る結果になったが、初戦の前橋商戦（２－１）で、大迫が圧巻のボールキープから同点弾の起点となれば、続く近江戦では福田が十八番のヘッドで劇的な決勝点。計り知れないポテンシャルの片鱗を見せつけた。

「選手権の難しさが分かったと思う。１、２年生には来年、再来年があるので自分たちの分も頑張ってほしい」

　キャプテンの永吉の想いを受け継いだ怪物コンビが、どんな成長を遂げてこの舞台に帰って来るのか。今日の涙が何よりの糧になるはずだ。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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