「ビビらずにもっとやったほうがいい」海外で揉まれる19歳GK小久保玲央ブライアン。代表スタッフが感じた進化とは…

2020年12月31日 松尾祐希

A代表が最終的に目指すべき場所

2019年1月からポルトガルでプレーする小久保。写真:滝川敏之

 12月25日の明け方。U-19日本代表に激震が走った。FIFAが新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、来年5月にインドネシアで行なわれるU-20ワールドカップの中止を決定。来年3月の最終予選を兼ねたアジア選手権に向けて、21日から千葉県内で合宿を行なっていたチームにも直ぐさま伝えられた。

 アンダーカテゴリーのワールドカップがサッカー選手としてのゴールではない。アジア選手権もあるし、その先のA代表が最終的に目指すべき場所である。ショックを受けたのは間違いないが、目標を切り替えて新たなスタートを切った。

 そうした難しい状況下で行なわれた年内最後の活動にヨーロッパから参戦した選手がいる。ポルトガル1部のベンフィカでプレーする小久保玲央ブライアンだ。
 
 ナイジェリア人の父とバスケットボール経験者の母を持ち、恵まれたサイズと身体能力を持つ成長株は中学年代から柏レイソルの下部組織でプレー。2018年の1月にカタールで開かれたアルカス国際大会でベンフィカと対戦したことをきっかけにオファーを受け、翌年の1月にベンフィカへ加入を果たした。

 10代のGKがプロを経由せずに欧州のクラブへ移籍するのは異例の出来事。本人も当時は驚きを隠せずにいたが、渡欧後はBチームやU-19歳以下のチームで自身のプレーに磨きをかけてきた。

 さらに、知人の紹介で知り合った権田修一(ポルティモネンセ→清水エスパルス)に助言を受け、食事改革を実行。筋力トレーニングを踏まえた上で摂取する食べ物にも気を配るようになった。その結果、体重は2年間で6kgアップ。体格も一回り大きくなり、海外の選手たちにも負けない身体になった。
 

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