【主な日本人欧州組の前半戦通信簿|DF&GK編】最高点は“冨安超え”の23歳DFに! 吉田、長谷部、長友、川島らベテラン勢で評価を上げたのは?

2020年12月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

ブンデス最年長の長谷部、イタリアの吉田&冨安の出来は?

左から長谷部、冨安、吉田、室屋。ドイツとイタリアでプレーするDFたちの評価は?(C)Getty Images

吉田麻也(サンプドリア/イタリア)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
セリエA=11試合・0得点・1アシスト
コッパ・イタリア=2試合・0試合・0アシスト


 開幕2試合でまさかの先発落ちとなったものの、3節にスタメンの座を勝ち取ると、最終ラインの中心としてフィオレンティーナ、ラツィオ、アタランタという難敵相手の3連勝に貢献。そこからレギュラーとしてプレーしたが、9節でハーフタイムに交代を命じられると、その後は出番なしや終盤投入などの屈辱も味わった。

 2020年最後のサッスオーロ戦では、驚きの右SB起用でアシストをマークし、地元メディアから「十分納得のパフォーマンス」という評価を受けた。「序列を見直すべき」とクラウディオ・ラニエリ監督の起用法を疑問視する声があるように、出場した試合では及第点は十分に与えられるパフォーマンスを披露している。

冨安健洋(ボローニャ/イタリア)――70点(よくやった)
【2020-21シーズン成績】
セリエA=14試合・1得点・0アシスト
コッパ・イタリア=2試合・0試合・0アシスト


 昨シーズンの主戦場だった右SBから本職のCBへのコンバートされた今シーズンは、インテルのFWロメル・ルカクにフィジカル勝負で圧倒されたように、1対1の対応に課題を残す部分はあるものの、シニシャ・ミハイロビッチ監督の信頼が揺らぐことはなく、ここまで公式戦全16試合にフル出場。右SB、さらに左SBでも起用され、現地メディアから「疲れ知らずの何でも屋。アンタッチャブルで、シニシャにとって素晴らしいジョーカー」と評されるなど、そのポリバレントな能力は称賛を受けた。

 久々の右SBで先発した年内最後のアタランタ戦で、見事な動き出しから今シーズン初ゴールを奪ったことで、再コンバートを推す声もあるが、指揮官がどんな決断を下すか。いずれにしても"トミー抜き"の最終ラインは想像できない。
 
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
ブンデスリーガ=9試合・0得点・0アシスト


 リベロとして開幕からフル出場していたが、8節から4試合連続でベンチを温めた。突如として出番を失ったのは、「誠がいなくてもプレーできるようにならなければならない」と考えるアディ・ヒュッター監督が、将来を見据えた起用を優先しているから。事実、来月で37歳になるブンデスリーガ最年長選手の代わりに、先発チャンスを得たのは21歳のエバン・エンディカだった(同時にマルティン・ヒンターエッガーが左CBからリベロへ)。

 依然としてライン統率やカバーリング、ビルドアップの質は高いものの、かつてのように不動の存在ではなくなったベテランが年明けからどう巻き返していくか。また、フランクフルトとの契約が切れる来夏以降もキャリアを続けるかどうかの決断にも注目が集まる。

室屋成(ハノーファー/ドイツ)――60点(及第点の出来)
【2020-21シーズン成績】
ブンデスリーガ2部=12試合・0得点・0アシスト
DFBポカール=2試合・0得点・0アシスト


 3バック採用時はベンチスタートになるなど完全なレギュラーとは言いがたいが、プレシーズンの途中に加わった新戦力としては十分な出番を得ている。主戦場は右SBで、6節グロイター・フュルト戦では左SBを務めた。

 戦術面の改善を求める声も聞かれるが、ボールに対する積極性や勤勉な姿勢が高く評価されている。年内ラストのリーグ戦だったレーゲンスブルク戦では、チーム最多4本のクロスを放つなど存在感を放つ。

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