「生きる意欲、勇気、気迫を出し…」急逝した“イタリアの英雄”パオロ・ロッシの妻が明かした「最期の瞬間」

2020年12月11日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「彼は本当にあきらめたくなかった」

82年のスペインW杯で得点王に輝き、イタリア代表を優勝に導いたロッシ。今月9日に帰らぬ人となった。 (C)Getty Images

 ディエゴ・マラドーナの死から2週間。イタリア・サッカー界の英雄パオロ・ロッシが64歳で亡くなり、世界は再び悲しみに包まれた。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』電子版は12月10日、妻のフェデリカ・カッペッレッティさんのインタビューを報じた。記者でもあるカッペレッティさんは「難しい1年でした」と話している。

「たくさんのことがありました。彼のもっと内面を、もっと個人的なことを知りました。彼の脆さを知りました。結婚したことをずっと光栄に思ってきた、素晴らしい人のたくさんのことを知りました。

 彼は生きる意欲、勇気、気迫のすべてを出しました。彼は本当にあきらめたくなかったのです。いつも、わたしや子どもたちを安心させようとしていました」

 カッペレッティさんは「彼といて、多くを共有できて幸運でした。素晴らしい、ほかにはいない人です。あまりポジティブでないときでも、いつもすべてポジティブな側面を見られる人でした」と続けた。

「シンプルな人で、いつもすべての人を愛することができました。物事の違う見方を教えてくれ、いつも他人を助けるための手を差し出し、つねに笑顔でポジティブ。パオロがいなくなってから、わたしは大変でしょう。パオロは唯一無二だから。彼のような人を見つけるのは難しいです」

【動画】急逝した英雄パオロ・ロッシってどんな選手? FIFAが公開したトリビュート動画はこちら
 元イタリア代表FWを支えた妻は「逝ってしまうとき、彼はわたしの腕の中にいました」「最後の一息まで彼といました」と明かしは、「パオロは私の中で生き続けます。世界中から連絡が来ました。すべての愛情に感謝しています。そのパオロへの愛情が、私に前へ進む力を与えてくれます」と語っている。

「もっとも素晴らしい思い出は、国のトップから買い物中に出会う人まで、人と関係を持つときの彼のシンプルさです。パオロはつねに同じでした。同じ笑顔で、人々に心を開こうと同じ意欲でした」

「彼はとても愛されました。わたしが愛した、すべての人に与えていた素晴らしい笑顔、その思い出、これがわたしにとってのパオロです。笑顔や他人と分かち合おうとする意欲、生きる意欲、それらすべてが彼でした」

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 

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