「クロップと2時間も…」“世界最強CF”レバンドフスキの告白した転換期とは?「あれで全てが変わった」

2020年11月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

「監督の考えを一切理解していなかった」

ドルトムント入団当時にスランプに陥っていたレバンドフスキに救いの手を差し伸べたのが、クロップだった。 (C) Getty Images

 バイエルン・ミュンヘンの絶対的エースであるポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキは、サッカー史に残るストライカーになるだろう。

 2010年に母国の古豪レフ・ポズナンからドルトムントに入団して以来、幾多のゴールを奪ってきた名手は、昨シーズンにブンデスリーガでキャリアハイとなる34ゴールをマーク。さらに代表チームでは300試合で259ゴールを叩き出すなど、32歳となっても衰えは微塵も感じさせていない。

 いまや「世界最高のCF」との呼び声も高いレバンドフスキ。だが、彼にもスランプに陥った時があった。

 それはドルトムントに入団した2010-11シーズンのことだ。当時、ユルゲン・クロップ監督(現リバプール指揮官)が率いるチームに加わった22歳だったが、パラグアイ代表FWルーカス・バリオスとのポジション争いで後塵を拝し、ベンチを温める日が少なくなかった。
 
 期待されながら1年目は公式戦でわずか9ゴールと苦心した"大器"に、救いの手を差し伸べたのが、他でもないクロップだったという。リバプールの地元紙『Liverpool Echo』によれば、サッカー専門メディア『Goal』のインタビューでレバンドフスキは次のように当時を回想している。

「ドルトムントでの最初の頃は本当に難しかった。ただ、僕にとっていつから状況が良くなったかはハッキリと覚えているよ。入団して2年目にチャンピオンズ・リーグでマルセイユ戦と戦って負けた時だ。クロップが僕を呼んだんだ」

「あの時は監督の考えを一切理解していななかった」と語るレバンドフスキは、0-3と完敗を喫した難敵マルセイユとのアウェー戦後にクロップと腹を割って話すことを決意。宿舎に戻ってから熱血漢と1対1で対峙したという。

「彼が僕に何を期待しているのかを率直に話してくれて、僕もチームでやりたいことを打ち明けたんだ。二人だけでかなり話し込んで、気づいた時には2時間が過ぎていたよ。ただ、この対話で全てが変わった。直後のアウクスブルク戦で、僕がハットトリックとアシストを決めて、4-0で勝ったからね。あれは忘れないさ」

 クロップとの2時間以上に及んだやりとりについて、「あれがなかったら違っていたかもしれない。少なくともあらゆることが変わった」と明かしたレバンドフスキ。今や世界でも指折りの名ストライカーとなった男の"ターニングポイント"は、熱血漢との対話にあったのだった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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