「メッシのマネジメントは簡単じゃない」キケ・セティエン前監督がバルサ時代の“苦悩”を激白!「とても無口で…」

2020年11月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「わたしが変えられるはずがない」

今年1月に誕生したキケ・セティエン政権は、わずか半シーズンの短命に終わった。(C) Getty Images

 バルセロナにおいて、リオネル・メッシの存在は絶対的だ。本人の意向は別に、チームを率いる指揮官にとってデリケートな存在だろう。

 昨シーズン途中に就任し、シーズン後に解任されたキケ・セティエンが、スペイン紙『El Pais』でのビセンテ・デルボスケのインタビューでメッシに言及した。

 キケ・セティエンは「メッシは歴代最高の選手だと思う。とても素晴らしかった偉大な選手たちはほかにもいるが、彼ほどの継続性はほかになかった」と、バルサの10番を称賛している。

 そのうえで、「とても無口だが、彼は自分が望むものを見させる。あまり話さない。だがそうだね、見てくるんだ。退任後、いくつか違う決断をすべきだったのは明らかだった。だが、自分よりも上の存在がある。クラブだ」と続けた。

「多くの人が、メッシなりほかの選手たちは、クラブや監督よりも重要と考える。こういう選手やその周囲は、すべてに勝ってタイトルを手にし、14年を過ごしてきたんだ」

 さらに、前指揮官は「たしかにマネジメントするのが簡単じゃない選手たちはいる。その中にはレオもいる。それは本当だ」と本音を告白した。

「彼が史上最高の選手だということも忘れてはいけない。それをわたしが変えられるはずがないじゃないか!数年前から今のようであるのを受け入れ、変えなかったのなら…」
 
 また、バルセロナでは本来の自分でいられたか問われると、「ノーーー。もちろんノーだ。そういられなかった。あるいはそうできなかった。それが現実だ」と答えた。

「実際には、別の状況であれば違っていたかもしれないところはあった。だが、考えたり取り組んだりする時間はなかった。ドラスティックな決定をしていたら、それがわれわれのダメージとなっていたかもしれない。ラ・リーガがあり、チャンピオンズ・リーグがあり、そしてあのバイエルン戦だ」

 2-8と屈辱的な大敗を喫したそのバイエルン戦について、セティエンは「とても傷ついた。あの敗北でバルサの歴史に汚名を残してしまった」と落胆している。

「自分の責任割合は負う。いつか、それについて記そう。解任されてから、あの試合の前にすでに決定が下されていたと知った。すべてを知ったよ」

 苦しい日々を過ごした62の戦術家は、デルボスケから指導する意欲があるか問われると、「あまりない。家で、海で、牛たちと快適に過ごしている」と答えた。

 キケ・セティエンがベンチに戻る日はあるのだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

 

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