「すでに話をしている」香川真司のボタフォゴ移籍は本田圭佑のアイデア? ブラジル人記者が“キーパーソン”を直撃!【現地発】

2020年10月23日 リカルド・セティオン

「カガワをボタフォゴに」がツイッターのトレンドワードに3回も

ボタフォゴ関係者の話では、香川(左)の獲得は本田(右)の進言によるものだという。 (C) Getty Images

 本田圭佑の所属するボタフォゴに香川真司が移籍するかもしれない。数日前からこんなニュースがブラジル・メディアを沸かせている。
 
 結論から言うと、この移籍はかなり難しいだろう。香川自身はスペイン、もしくはヨーロッパでのプレーし続けることを望んでいるし、ご存知の通りボタフォゴは財政難。所属選手への支払いも滞っている状況だから、香川の年俸を払うのは難しいだろう。

 しかし、それでもまだ可能性の扉がすべて閉ざされたわけではないのには、いくつかの理由がある。

 今回の移籍話でボタフォゴが唯一出した公式コメントは「我々は直接、香川とは交渉をしていません」というものだ。では、交渉をしているのはいったい誰なのか。
 
 ここに登場するのがキーパーソンのマルコス・レイテという人物だ。ほかでもない本田を、そしてその後にサロモン・カル―をブラジルに連れてきた張本人でもある。今回、私は彼に話を聞くことができた。

「香川がサラゴサとの契約を解除したというニュースが流れて数日後には、すでに彼の代理人と話をしたよ」

 レイテはそう語る。ボタフォゴは沈黙を守っているが、彼に白紙委任状を渡したようなものだろう。

 レイテは同時にスポンサー探しもしているという。もし香川がボタフォゴ行きに興味を示した時に、スポンサーがあれば給与の話も潤滑に進むだろう。ただ契約前に見つからなくてもそれは大きな問題でないと、かなり楽観的だ。

「本田だけの時は、確かに大きなスポンサーは見つからなかった。しかし本田と香川のそろい踏みとなれば、注目度は非常に高くなる。話が決まればスポンサーは必ず見つかるだろう。日本の企業もきっと興味を持ってくるはずだ」

単に卵が先か鶏が先かの話だというのである。

 今、ボタフォゴのサポーターの間では"香川をボタフォゴに"#KagawaNoFogaoが盛り上がっている。

 ツイッターのトレンドワードに3回も入ったほどだ。実はこの種を播いたのもレイテである。彼は自分のSNSに「香川はボタフォゴの手の届く夢である」と書き込み、それを見たサポーターが騒ぎ始め、ついにはキャンペーンを張るまでにいたったのである。本田の心を動かしたフォガオ(ボタフォゴのサポーター)たちの力を、彼は当てにしたのである。

【動画】鮮やかゴラッソ! 本田圭佑のブラジル全国選手権初ゴールはこちら

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