【鳥栖】湘南戦で再確認できた存在の大きさ。高橋義希は最高のフットボーラーだ

2020年10月22日 古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

「(高橋義は)頭が良い、クレバーな選手」(金監督)

後半からボランチに入った高橋義はチームを活性化した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ13節]湘南0-0鳥栖/10月21日(水)/Shonan BMW スタジアム平塚

 前半の鳥栖は湘南に圧倒的に押されていた印象で、ボールの収まりどころがなく、ハイプレスを嫌ってラフなロングボールも多かった。金明輝監督も「湘南さんの組織的な守備に対して、前半は特になかなか活路を見いだせなかった」と頭を悩ませた。

 そこで金監督が決断したのはハーフタイムでの2枚替え。金森健志とチアゴ・アウベスを下げ、高橋義希と小屋松知哉を投入したのだった。

 すると前半とは打って変わって鳥栖がゲームを支配。サイドハーフの樋口雄太や2トップの石井快征、林大地にボールが収まり、円滑に攻撃を組み立てることができた。

 その結果、右サイドバックの森下龍矢は、徐々に高いポジションを取ることに成功。攻撃で特徴を発揮していた湘南の左ウイングバック、畑大雅を守備に奔走させ、その存在感を薄くさせた。チームは得点こそ奪えなかったが、金監督の修正力は見事だ。
 
 流れが変わったうえで名前を出した樋口、石井、林、森下らの貢献度はもちろん大きい。だが、忘れてはならない選手が高橋義だ。

 前述したとおり後半から投入されると、ボランチで的確にパスを散らせば、味方が攻撃に専念できるように常にポジショニングに気を配り、スペースを埋め続けた。

 樋口の「前半は試合を落ち着かせることができなくて、後半はヨシキさん(高橋義)と一緒にタメをつくることができた」という言葉からも、その存在の大きさは窺える。そして金監督も賛辞を贈る。

「頭が良い、クレバーな選手なのでしっかりと落ち着かせてくれると思いました。久しぶりに出たゲームでこれくらいのパフォーマンスができるという彼の力を示した」
 

次ページピッチ内での貢献は減ってきているが…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事