インカレ関東予選に異変!全国切符争いで2部が1部を凌駕…「どの大学も途轍もなく懸ける思いが強い」

2020年10月11日 安藤隆人

決勝に進出した1部の早稲田大も下部リーグ勢に、1回戦から苦戦の連続

早大との決勝に駒を進めた流通経済大(白)も今季は関東2部の舞台で戦う。写真:安藤隆人

 9月26日に開幕したアミノバイタルカップ2020年関東大学サッカートーナメント。通常であれば、これは夏の総理大臣杯の関東代表チームを決める大会であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、総理大臣杯が中止となったことで、従来の形はなくなった。

 関東大学サッカー連盟は応急処置として、1月に開催がずれたインカレの代替大会となる全国大会(名称は未決定)の関東予選の位置付けとして、アミノバイタルカップを開催することになった。出場チームは1部・2部の全24チームに加え、プレーオフを勝ち抜いた8チームの合計32チームがトーナメント形式で戦い、上位5位までに全国大会の出場権が与えられるというレギュレーションだ。

 現時点で決勝は早稲田大vs流通経済大となり、3位決定戦は日本大vs東洋大、5位決定戦は立正大vs東海大となった。結果だけを見ると、上位4チーム中、早稲田大以外が2部チームで、5位決定戦も1部vs2部と波乱の大会となっている。

「この大会に懸ける思いがどの大学もとてつもなく強いものがあると感じます」

 こう語るのは早稲田大の3年生エースストライカー・加藤拓己だ。決勝進出を果たし、全国大会出場権は手にしたものの、早稲田大は1回戦から苦戦の連続だった。1回戦は埼玉県1部リーグの城西大に2−1、2回戦は関東2部・立教大の堅い守備をこじ開けられず、延長戦を含めた120分を戦い抜いてスコアレスドロー。PK戦の末に辛勝を収めた。準々決勝の関東1部・立正大戦も相手の5バックのブロックを打ち崩せずに苦戦したが、後半にFW倉持快が自らのシュートのこぼれに反応した相手DFのクリアボールを足でブロック。そのボールがそのままゴールに吸い込まれるという、執念のゴールで1―0の勝利。ここで出場権獲得に成功した。

「この間の立教大の気迫は凄まじかったし、城西大もやりにくかった。立正大も同じ1部ですが、リーグ戦の時とは全然違う戦い方で何がなんでも勝利を掴みに来た印象でした。参加のチームの熱量がこれまでと全然違うんです」

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