フランス代表ジルーが100キャップ&“プラティニ超え”を達成!2部から這い上がった男の快挙をデシャン監督も絶賛【現地発】

2020年10月09日 結城麻里

メモリアルゲームでキャプテンを務め、2ゴールを奪取

プラティニに並ぶ得点を決め、妻と生れてくる子供にゴールを捧げるジルー。(C)Getty Images

 フランスがウクライナを7-1で粉砕した10月7日、オリビエ・ジルーは特別な夜を味わった。フランス人も今回ばかりは彼を心から讃えている。

 この特別な夜を、ディディエ・デシャン監督は最初から"お膳立て"していた。ジルーはこの日、フランス代表で記念すべき100試合目をプレーすることになっていたからだ。

 フランス代表におけるキャップ数の最多記録はリリアン・テュラムの142。次いでティエリ・アンリ(123)、マルセル・デサイー(116)、ユーゴ・ロリス(同)、ジネディーヌ・ジダン(108)、パトリック・ヴィエラ(107)、ディディエ・デシャン(103)と続く。何とも錚々たる顔ぶれである。そこにジルーが8位で仲間入りするのだから、半端ではない。

 そこでデシャン監督は、ジルーに初めてキャプテンマークを手渡した。無言の、だが最大級の、祝賀の意味がこめられていたと言える。もちろん激励も、だ。

 そしてジルーはそれに応えた。24分、見事なトラップから左足を振り抜き、豪快なミドルシュートをネットに突き刺したのだ。実にストライカーらしい一撃だった。
 
 この瞬間のデシャン監督の反応がまた凄かった。破顔して両腕を天に突き上げ、ガッツポーズを見せたのである。ジルーも指揮官に向かって威勢よくガッツポーズを送り返し、次いでボールをお腹に入れた。

 実はこれには深い意味があった。妻が第4子を妊娠中で、11月に出産する予定のため、"妊娠セレブレーション"で家族と生まれてくる子にゴールを捧げたのだ。しかもこれはジルーの代表通算41ゴール目。あのレジェンド、ミッシェル・プラティニと並んだ瞬間でもあった。

 ジルーの活躍は終わらなかった。33分、今度は"ペナルティー・エリアのキツネ"に変身すると、相手キーパーが弾き返したこぼれ球にダイブで頭から突っ込んだ。これで代表通算42ゴール目。何と一晩でプラティニを抜いてしまったのである。

 こうしてジルーは、フランス代表という煌びやかな場で、レジェンドたちをごぼう抜きしながらゴール数で歴代2位に躍り出た。51ゴールで歴代1位に君臨するアンリとは9ゴール差である。

【動画】 デシャン監督も称賛!ウクライナ戦でジルーが決めた圧巻のミドル弾はこちら

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