【U-22日本代表】「ミャンマー戦は間違いだらけのプレー」と振り返る中島翔哉の飽くなき向上心

2015年03月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「もっとプレーがしたかった」。

13分、42分、ロスタイムと前半のみでハットトリックを達成。60分にも1点を加え、フル出場したミャンマー戦は計5本のシュートで4ゴールを奪取と高い決定力を見せつけた。 写真:菅原達郎(サッカーダイジェスト写真部)

 それは勝っているチームの選手には似つかわしくない行動だった。
 
 野津田岳人のクロスを巧みなヘッドでゴールに流し込んで自身4点目を挙げると、転がるボールをすかさず抱えてセンターサークルへと引き上げていく。
 
 負けているならいざ知らず、この時点で日本のリードは9点にまで広がっている。勝利はほぼ決している。にもかかわらず、中島翔哉は誰よりも早く試合の再開を促した。
 
 まだまだゴールを奪いたかったからか? 
 同じく4得点を挙げている鈴木武蔵をゴール数で上回りたかったから?
 
 試合後のミックスゾーンで問いかけると、シンプルな答が返ってきた。
 
「もっとプレーがしたかったので」
 
 サッカーを楽しみたい――。中島が常に大事にしていることだ。普段のトレーニング以外でも、自宅に戻ってから練習しているというサッカー小僧は、1分1秒でも長くボールを蹴っていたかった。もちろん、「試合でしか学べないことが多いので」と、実戦を通じて自らの成長につなげることも忘れてはいない。
 
 2得点を挙げた先月のシンガポール戦に続き、今回のミャンマー戦でもゴールという結果を出してみせた。それでも、本人にとっては何点決めたかはそこまで重要ではないようだ。
 
「毎試合、(点を)取るのは大事なんですけど、そこばかりに執着して、他が疎かになるほうが良くないと思っている。いろんな部分にこだわりを持って、プレーを成功させつつ、点を取れればいい」
 
 いかに良い状態でパスを受けられるか。ドリブルのコース取りは間違っていなかったか。試合があったその日に映像を見返して、なにが足りなかったか、どこを改善すればいいかをすぐに確認した。ミャンマー戦では攻撃陣をリードするだけでなく、献身的な守備も見せるなど攻守に奮闘していたが、本人からすれば、プレーの選択や判断は「ほとんど間違いだらけだった」。厳しい自己評価からは、飽くなき向上心が見て取れた。

次ページ特筆すべきはCF鈴木との好連係。

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