「目に見える結果を残したい」鎌田大地が、新シーズン開幕節で見せた “進化”の兆し【現地発】

2020年09月25日 中野吉之伴

「個人的には小さなステップアップは考えていなかった」

鎌田への指揮官からの信頼は厚く、PSMでは先発が続いた。 (C)Getty Images

 新シーズンが開幕したブンデスリーガ第1節。鎌田大地と長谷部誠擁するフランクフルトが、堂安律が期限付きで加入した"昇格組"ビーレフェルトをホームに迎えた一戦は、1-1の引き分けに終わっている。

 この試合でトップ下で先発出場し、88分までプレーした鎌田にとって、今シーズンは次のステップを踏むための大事なシーズンになる。開幕前、23年まで契約延長をした後に行われた記者会見で、鎌田は次のように語っていた。

「オファーというか、僕の代理人のもとには、世間的にみれば、『ステップアップだろ』といわれるようなクラブからの話はあった。フランクフルトはブンデスリーガで去年9位でした。けれど、フランクフルト以上のチームを探そうと思っても、少ないと思う。個人的には今は小さいステップアップは必要ないと考えていた。だから、夏のオフに一度、代理人と電話をした時、『こういうふうな感じだけど』と言われたことに対して、即答で『ノー』と言いましたね」

 そんな鎌田がイメージする具体的な次のステップアップとは何か。

「チャンピオンズ・リーグ(CL)に出るだけではなく、毎年出続けるクラブじゃないとステップアップにならないと思っている」

 では、そこへ到達するために、必要なこととは。

 鎌田は、まず守備面の改善を挙げた。とくにコロナ明けからはアディ・ヒュッター監督からもよく指摘されているという。これまでもやっていないわけではないし、大きな問題があれば、そもそも信頼してスタメン起用はされない。けれど、CL決勝戦を見ても、世界のトッププレーヤーが前線から激しく有効な守備を90分間通してやり続けながら、攻撃でも決定的な仕事をするわけだ。チームとして必要最低限の守備をこなすだけではなく、状況に応じてボールを奪い取る、さらにそれを次の攻撃につなげられるようになることは、さらにレベルアップを図るうえでは欠かせない。

 加えてポイントに挙げていたのが、直接ゴールに関わる数字の部分だ。

「僕自身が考える、もう少し成長しなきゃいけない部分は、得点とかアシストとか、目に見える結果を残すこと。プレー内容自体は、去年も悪くなかったと思います。、結果が出てなくても試合にあれだけ出れたのは、監督が評価してくれていたし、中継点、チームとしての役割ができていた。目に見える結果がついてくれば、すごく良いんじゃないかなと」

 そして、ゴールにより関われるようになるためには、まずゴール前でシュートやパスに持ち込める局面に顔を出せる頻度を増やすことが大切になる。

次ページ開幕戦では点数には絡めずも、成長の片鱗は見せた

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事