スペインでは80年代に大失敗…果たしてJリーグの2ステージ制の成否は?

2015年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

サッカーの世界ではシンプルかつ公平な方式が望まれるようだが。

11年ぶりに2ステージ制が復活した今季。開幕戦への注目度は非常に高かったようだが、興行面の事情が優先された改革が今後、日本サッカーにいかなる影響をもたらすだろうか。 (C) Getty Images

 23年目のJリーグが開幕した。今季は11年ぶりに2ステージ制(2期制)が復活し、2度のリーグ戦(1回総当たり)の後、スーパーステージ、さらにチャンピオンシップで年間王者を決することになる。昨季までと比べれば、明らかにリーグの方式は難解なものとなった。
 
 サッカーに限らず、プロ野球でもクライマックスシリーズなど、各競技におけるプレーオフ導入に対しては賛否両論がある。最後までリーグに興味を惹きつけられるという興行的に意義がある一方で、リーグ戦の意味合いが薄れる、試合数の増加で選手を疲弊させる、といった反対意見が真っ向からぶつかり合うのだ。
 
 アメリカのスポーツの場合、プレーオフはどの競技でも普通に行なわれ、さらにワイルドカードで試合数を増加させている。一度敗れた者にもチャンスを与えるという敗者復活の考えは、あのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも適用され、日本は第2回大会でその恩恵にあずかって連覇を果たしている。
 
 欧州では、リーグ戦の形態は様々であり、オランダのように上位から下部まで通常のリーグ戦の後にプレーオフを行なうリーグもあるが、メジャーな国ではほとんどがホーム&アウェーでの総当たりで年間順位を決するというシンプルな方式を採っている。プレーオフを採用するとしても、それは降格・昇格争いに限られるケースが多かった。
 
 サッカーというシンプルなスポーツには、リーグ方式もシンプルなものが合っているのだろうか、本場・欧州ではルールに手を加えることを好まない人が多い。敗者復活の精神よりも、分かりやすさと公平さが第一なのである(保守的な考えの持ち主が多いと言えるかもしれないが)。
 
 確かに1期制であれば、リーグの展開によっては多くの"消化試合"が生まれてしまうこともあるが、欧州の各クラブにはいつの時代にも熱烈なサポーターが多数存在し、順位に関係なくスタジアムに詰めかけることで(不甲斐ないプレーであれば足は遠のくが)、サッカー先進国のリーグ戦は成立してきた。

次ページ方式変更でもリーグの構図は何ら変わることのなかったリーガ。

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