ホームで勝てず16位に沈む仙台…ベテラン関口訓充がチームに求める「責任」「強度」

2020年09月15日 小林健志

3連敗で監督も選手と一緒にスタジアムを一周し、サポーターに頭を下げる事態に

チームの現状に、より「責任」あるプレーを求めた関口。一つひとつのプレーに「強度」が必要とも述べた。写真:田中研治

 仙台がなかなか勝てない。J1ではここ5試合勝利がなく、9月5日からの中3日3連戦は3連敗。開幕当初はショートパスをつないでゴールまで向かう形は作れており、勝てなくても内容は悪くない試合が続いていたが、この3連戦は悪い形でボールを失い、ポジションバランスが崩れているところにカウンターを受けて次々と失点するなど、厳しい内容の試合が続いている。

 また、ホームゲームで勝てていない。9月13日の16節・大分戦も、相手が5試合未勝利だったこともあり、絶対に勝ちたい一戦だった。しかし、前半は相手に圧倒されて先制を許し、後半多少流れを取り戻すも得点が奪えず、相手の選手交代後カウンターを2発受けて0-3と完敗。木山隆之監督も「ホームでこんな不甲斐ない試合をして、本当にサポーターやファンの方に申し訳ない」と、選手と一緒に場内を一周し、サポーターに頭を下げるという異例の行動に出た。

 こうした重苦しい雰囲気の試合の後、ZOOM会見の場に現われたのは、MF兵藤慎剛とともにチーム最年長で、2004年に高卒で加入し、クラブの歴史を知るベテランMF関口訓充だった。関口は一つひとつの質問を受けた後に考える時間を長く取り、熟慮の末質問に答えていた。

 試合を振り返っての感想を聞かれると「やっぱり出ている選手がその試合に対しての責任感をもっと持って臨まないといけません。一つひとつの局面の強度を、『このくらいでいいや』とやれるほど僕たちは強いチームではないので、もっと強度を持ってやれたのではないかという感想です」と語る。

 その後いろんな質問をしても「責任」と「強度」という言葉が出てくる。途中出場でピッチに立った思いを聞かれると「出ている選手として責任を感じますし、本当に勝てないのはサポーターに対して申し訳ないと思います」と試合中の具体的な思いよりも、結果に対する悔しさが先に出た。今、チームに必要なことを問われると「もう1回強度を持って局面局面でパワーを出さなければいけませんし、出ている選手は責任を持ってプレーしないといけないと思います」とやはり同じ内容、言葉が出てくる。一人ひとりが試合に出ることに対して責任を持つこと、そして、そうした責任感をプレー強度に表わすこと、二つのポイントに思いの強さを感じさせた。
 

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