「耐えがたいコメディー」仏版クラシコの “惨劇”を地元メディアが痛烈批判!称賛された数少ない戦士とは…【現地発】

2020年09月15日 結城麻里

ピッチ上は“全員ブチギレ”状態に

後半アディショナルタイムに両チームの選手たちがエキサイトした結果、5人が退場という前代未聞の事態に。 (C)Getty Images

 歴史的なフランス版クラシコ(パリ・サンジェルマン対マルセイユ、0-1)から一夜明けたフランスでは、"全員ブチギレ"に、悲嘆の絶叫が相次いでいる。

 まず『L’EQUIPE』本紙に激怒の社説を綴ったのは、『ワールドサッカーダイジェスト』でもお馴染みのヴァンサン・デュリュック記者だ。

 そのタイトルは「愚か者ども」。「インテリジェンス(知性)よりテストステロン(男性ホルモン)の方が2倍も多い愚か者ども」、「5人退場と14枚のイエローカードに彩られたこの夜はわれわれに恥をかかせた」、「耐えがたいコメディー」と、両チームと審判を含む試合全体を斬りまくった。

 CF抜きの大胆な戦法を採用したアンドレ・ヴィラス・ボアス監督については「マネージメントの巨大な勝利」と称えたが、一方で「この(コロナ)期にスポーツと責任感に場を与えてやろうという考え方にとっては、深い敗北となった」と書いた。そして、マルセイユで、サポーターによるマスクも社会的距離も無視した花火と歓喜の夕べが出現したことを暗に批判した。

 とはいえ、最も厳しい裁きは、パリ・サンジェルマンの頭上に下された。

 デュリュック記者が「ピッチ上で敗北に異議をつきつけることもできなければ、試合後に敗北を受け入れることもできなかったパリジャンたち」、「糸を見失い、神経も切れてしまった」と叩けば、ダミアン・ドゥゴール記者によるメイン記事も容赦なかった。

 「試合終了のホイッスルが鳴るや否やヴィラス・ボアス監督を挑発しに来たのはヴェッラッティだった」、「投入されるや否やディミトリ・パイエにばかでかいファウルで突っかかったレアンドロ・パレデス」、「クルザワに至っては頭の中がブルース・リーの映画状態」、「とくにネイマールはこの夜を緊張した空気にひっくり返してしまった」と、パリSGのブチギレぶりに触れると、このように皮肉ったのだ。。

「凡庸さ(ネイマールとディ・マリア)と愚かしさ(パレデスとネイマール)のごった煮だったことからみて、今夜の教訓は、コロナ感染明けの選手たちを並べるべきではなかったということだ」

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