京都橘の万能型ストライカー西野太陽が徳島内定を勝ち取るまで――。「もっと高いレベルでプレーした方が成長できる」

2020年09月15日 森田将義

記者会見で語った入団に至った経緯とは…

高さとスピードを兼ね備えた万能型ストライカーが、来シーズン徳島でプロの扉を叩く。(C)KYOTO TACHIBA F.C.

 京都橘高は9月14日、来年度からのJ2・徳島ヴォルティスに加入が内定しているFW西野太陽(3年)の記者会見を行なった。オンラインで行なわれた会見には、同校の安田文彦校長、米澤一成監督とともに、徳島の谷池洋平強化部長が出席。入団に至った経緯、プロ入り後の抱負などを口にした。

 西野は180センチ近い身長とスピードを兼ね備えたストライカーで、ゴール前でのアイデアやディフェンスラインとの駆け引きから裏への抜け出し、ゴールネットを揺らすのが持ち味だ。

 元々徳島県の出身で、小学生時代から全国大会に度々出場するなど地元では知られた存在で、より高いレベルでプレーしたいという気持ちを常に抱えていた。小学校6年生の夏には、田宮ビクトリーの一員として全日本少年サッカー大会に出場した際、セレッソ大阪U-12と対戦した。

「全然やれるなと思ったのと同時に、細かい部分の差が大きいなと感じた。自分の厳しい環境に飛び込んだら、もっと成長できるんじゃないかと感じた」

 チームメイトだったMF近藤蔵波(現・C大阪U-18)が中学に上がるタイミングで県外へと飛び出したのも刺激となり、自身も関西のチームを希望したが、熟慮の末に地元・徳島ジュニアユースでのプレーを選択した。しかし、中学2年生と3年生で挑んだ全国大会で関東クラブのジュニアユースと対戦し、改めて年代トップレベルとの差を痛感させられた。
 
「自分の通用する部分と通用しない部分がはっきり分かってきたタイミングで、もっと高いレベルでプレーした方が成長できる、課題も更に見つかってプレーの幅が広がると思った」

 ユースへの昇格も果たせたが、日常から全国トップレベルの場で自身を磨きたい。そう考えた西野の第一候補として挙がったのは、小学5年生の頃にテレビで観た京都橘だった。

「選手権の決勝で、仙頭啓矢選手(横浜F・マリノス)と小屋松知哉選手(サガン鳥栖)のプレーを初めて見て、面白いサッカーをしていると思った。ここでやってみたいと思った」

 以前は京都橘にも県外の生徒を受け入れるサッカー部専用の寮があったが、西野が入学する前年に廃止。「中学に上がるタイミングでは(県外でのプレーが)実現できなかったから、高校からは想いを叶えてあげようと思った」と振り返る母・洋子さんとともに京都に引っ越してまで、憧れだった京都橘でのプレーを決心した。
 

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